艶(つや)のある品格
どうしてオカリナの音色が、聴く者の心に響き、心地よい幸せな気分にさせてくれるのでしょうか?そんなことをずっと考えながら、今年の“オカリナ・フェスタ in 岐阜2009”の、皆さんの演奏を聴かせていただきました。そこで感じたひとつの答は、心打つオカリナの音色には、言葉では表現し難い艶(つや)が感じられる、ということです。ここでいう“艶”とは、どう表現すればよいのでしょうか?なかなかうまく言葉で言い表せないのですが、私が感じたのは、おそらくソロで演奏された方々からにじみ出てくる“品格”といったようなもののように、思われます。私は自分で最初に、“艶(つや)”という表現をしておきながら、いろいろ考えているうちに、次第に“艶(つや)”よりも、“品格”という表現のほうが、適切に言い表しているように思えてきました。いや、やっぱり“品格”だと堅すぎて、“豊か”へんに“色“というつくりの、この“艶(つや)”という言葉も、捨てがたい言葉ですね。いっそ“艶のある品格”ということに致しましょう。この“艶のある品格”。それは、ある時は“清楚”であり、またある時は“優雅”であり、“誠実”であったり、“愛”、“思いやり”、“優しさ”、“ほのぼのとした温かさ”であったりして、聴く者の心に響いてくるから、心地よい境地におちいるのではないでしょうか。共通点はソロの演奏者がみんな、オカリナの音一つひとつを、心を込めて、大切にしておられる、ということ、その心が、“艶のある品格”をたたえた音となって、聴く者の心に響いてくるから、演奏者の気持ちが耳傾ける者にひしひしと伝わってきて、聴衆を魅了するのでしょう。そんなことを考えながら、出演された皆さんのオカリナをお聴きして、とても勉強になった半日を、過ごさせていただきました。ご出演いただいた皆さん、ありがとうございました。来年の6月27日(日)にもまた、“艶のある品格”を持った素敵なオカリナを、いっぱいお聴かせください。