テーマ:好きなクラシック(2327)
カテゴリ:オペラ
鑑賞日:2014年9月14日(日)13:00開演 入場料:¥8,000 C席4階2列 【主催】(財)東京二期会 平成26年度文化芸術振興費補助金 ウィーン・オリジナル・プロダクション 《アン・デア・ウィーン劇場との共同制作》 東京二期会オペラ劇場 モーツァルト作曲 歌劇「イドメネオ」 (全3幕、イタリア語上演/日本語字幕付) 会場:新国立劇場 オペラパレス スタッフ 指 揮:準・メルクル 演 出:ダミアーノ・ミキエレット 装 置:パオロ・ファンティン 衣 裳:カルラ・テーティ 照 明:アレクサンドロ・カルレッティ 演出補:エレオノーラ・グラヴァグノラ 合唱指揮:大島義彰 演出助手:菊池裕美子 舞台監督:村田健輔 公演監督:曽我榮子 合 唱:二期会合唱団 管弦楽:東京交響楽団 キャスト イドメネオ:与儀 巧 イダマンテ:山下牧子 イリア :新垣有希子 エレットラ:大隅智佳子 アルバーチェ:大川信之 大祭司 :羽山晃生 声 :倉本晋児 感想 大隅智佳子さんの歌声を聞きたさに、少し涼しくなった気候の中、初台まで出掛けた。 イドメネオはモーツァルト初期のオペラ作品で、ダ・ポンテ3部作や魔笛に比較すると上演数が少なく、生で観るのは初見。 オペラ・セリアであり、レチタティーヴォは今回チェンバロでなくピアノとチェロの伴奏が入る。ティンパニの横には、回転レバーの付いた黒い箱のウィンド・マシーンが置かれ、嵐の場面で使用されていた。 今回アン・デア・ウィーン劇場との共同制作であり、演出はダミアーノ・ミキエレットで、新国立の「コジ・ファン・トゥッテ」で舞台設定を現代のキャンプ場にしてしまった斬新な若手演出家。 序曲が始まると白い幕にイドメネオが少年のイダマンテにスーツを着させる様子が白黒の映像で映し出される。 序曲が終わり、幕が開くと、舞台奥に向かって高くなるよう傾斜が付けられた砂の床で、あちこちに靴が散乱している。プログラムを読むと、戦争で死んだ兵士の靴らしい。 砂の床の左右は白いカーテンで仕切られており、第2幕ではそのカーテンが開けられ、合唱が椅子を左右に並べ王宮の広間となる。 嵐の場面では、その椅子やスーツケースを砂の床に投げ入れ散乱させる。また、嵐や怪物の場面では、体中に赤い色を塗られたゾンビの様な男2人が表れ、イドメネオにその赤い血をこすり付ける。 第3幕の神の声では白い幕が降ろされ、雲の様な映像が映し出され、PAを通して神の声が歌われる。その幕が切って落とされフィナーレへ。 なかなか斬新な演出の割にはストーリーと違和感なく面白い。ただ当初からイリアのせり出したお腹が気になっていたが、予想通り第3幕フィナーレ後のバレエ音楽の中で出産となるのはあまりにも蛇足。イリアがイダマンテと心が通じあったのは第3幕なので、第1幕から妊娠していたとすると父親は誰? 客席からは白けた笑い声も起こった。 音楽の方は、準・メルクルの指揮でスムーズに進む。全体に重めなのは、会場の大きさに合わせたためか。 歌手の方は、イダマンテをズボン役でメゾの山下牧子が上手く歌えていた。イドメネオ役の与儀巧も存在感あり。 何と言ってもエレットラ役の大隅智佳子の歌声は圧倒的。ヒロインの恋敵役で、舞台上で下着姿から次々に衣装を変えたり、第3幕で斧を振り回したり、神の声の後は体中に泥を塗りつけ、金髪のカツラを投げ出し丸坊主となり息絶える演技は強烈。 更にそのビブラートのないしっかりとした歌声は、劇場中に響き渡り、客席からは「ブラーバ」の掛け声と本日一番の拍手が鳴り止まない状態に。 ぜひ来年の東京二期会オペラは、大隅智佳子さん主役でベッリーニ作品を聴きたい。 End お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.09.16 22:23:59
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