麻生自民党は、今回の選挙で民主党との違いをアピールする為に、
『実績』という言葉を選びました。
与党として政権を担って来て、民主党にはその経験が皆無なのですから、合理的な選択にも見えます。
しかし、実績とは、実際に積み重ねてきたもの。
それは良いものも悪いものも含みます。
GDPが上向いたとか、安全保障がどうとか、財源がどうとか言う前に、自民党には開口一番に言わなければいけないことがあった筈です。
それこそ全国を回る議員(候補)達が口を揃えて頭を下げなければいけないこと。
国民に対して詫びなければいけないこと。
何について?
阿部、福田、2人続けての政権放り出しについてです。
どちらも自民党の大半の支持を受けて総裁に選ばれ、首相になった。
しかし国民の間で一番重い筈の職責を投げ出した。
そして麻生は一番といって良いほど、両政権に関わってきた筈です。
藪蛇という想いもあるのでしょう。
選挙戦略から言っても下の下なのかも知れません。
しかし国民が聞きたいのは麻生の言う通り、耳当たりの良い言葉だけでは無い筈です。
全自民党議員が今からでも、そして選挙後に真っ先に反省しなくてはいけないのが、自分達がいかに政権というものを、首相という存在を軽々しく扱ってきたかということです。
それが彼らが如何に国民を軽視しているかということの証左でもあるのですから。
本当は告示日にでも全国紙に一面広告でも出してれば良かったんですけどね。
投票日前に出しても遅いでしょうし。
とりあえず麻生は総裁の座から引きずり降ろされるでしょうけれど、次の総裁が為すべき最初の仕事は、だから明らかなのです。
政策でもなく政局でもなく、人として、政治家として、一番大切にしなくてはいけないのが何だったのか。
それを今回の厳しい選挙を通り抜けた全議員と共に見つめ直すべきでしょう。