万雑667_中臣氏・藤原氏の系譜で万葉集に歌がある人(中臣宅守4)
次も、中臣宅守(中臣東人の子、鎌足の曾孫)の歌で、流罪先の越前国で作った40首の歌の中の15首目から18首目の4首(3741~3744)になります。
3741_「命をし全くしあらばあり衣のありて後にも逢はざらめやも」
※_「わが命が無事であったら、(あり衣の)こうしていて後にも逢えないことがありましょうか」と歌っています。
3742_「逢はむ日をその日と知らず常闇にいづれの日まで我恋ひ居らむ」
※_「逢える日をいつの日とも知らぬままに、真っ暗な心で、いつまで私は恋しているだろうか」と歌っています。
3743_「旅といへば言にそ易き少なくも妹に恋ひつつすべなけなくに」
※_「旅と言ってしまえば言葉は簡単だが、あなたに恋うて仕方ない気持は並大抵ではないのだ」と歌っています。
3744_「我妹子に恋ふるに我はたまきはる短き命も惜しけくもなし」
※_「あなたに恋するのに、私は(たまきはる)短い命でも惜しいとは思わない」と歌っています。
<記事>
中臣氏;
中臣東人(済)、中臣女郎、中臣武良自、中臣宅守
中臣清麻呂(済)、中臣部足国
藤原氏;
藤原鎌足、藤原宇合、藤原夫人(円方女王)、藤原八束、藤原郎女
藤原麻呂、藤原久須麻呂、藤原房前、藤原光明子、藤原清河
藤原仲麻呂、藤原永手、藤原部等母麻呂、藤原執弓
<備考>_中臣氏・藤原氏系図(改)
以上