つれづれなるままに

「安倍憎し」のマスコミは、必死に今回の解散は、安倍総理の誤算である。と報じる。
しかし本当であろうか？？？

永田町に住まう住民なら、「解散」すれば、小池氏が前面に出てくることくらいは想定している話である。
（このことすら、想定していないとしたら、政局を見る目がない。と言うしかない。）

従って、小池氏が最前線に立つことは、十分想定していたはずである。

ここで与党としては、「小池氏が都知事辞任、総選挙出馬」となれば大歓迎となる。
なぜなら「無責任、無定見」であることが白日の下にさらされることとなるからである。当然「また都知事選か」と怒りを覚える都民も少なくない。

一方の小池氏は、「代表就任」（共同代表ではない）を宣言した以上、「国政復帰」は視野に当然置いている。しかし、ここで誤算が生じている。

自らの周辺から「総選挙出馬の可能性」を漏らし、観測気球を上げたものの、食らいついてくるのは、「視聴率」が取れる（つまりは商売になる）と見るマスコミであり、「世論」（輿論では断じてない）から一向に望ましい「出馬待望論」が上がってこないのである。

小池氏は、「国民が望む」という理由をもって、出馬へと歩を進める腹積もりに大きな誤算が生じている。

マスコミ踊れど国民踊らず。

地方は、「都民ファースト」という都民のエゴイズムを最大限活用した人物。それはすなわち「地方はどうでもよい」「地方軽視」そのものでしかないのだが、それに踊らされるのだろうか？？？

あれは「都知事選挙」でのフレーズ。国政選挙ではない。と言うかもしれない。
しかし、それこそ「定見がない」としか言いようがない。

とはいえ、もともと定見のない人物に。定見がないと批判しても、これほど空しいものはない。

次に「民進党」の大部分を呑み込んで、というのも「選択肢」に入ってはいたであろうが、「丸ごと」というつもりはなかったであろう。「保守」を打ち出せば、民主党左派は、出てこないだろう。こう呼んだのだのだろうが、浅はかな考えである。もう落選しかない左派系議員は、抱きつき戦略にしか活路はない。こうみているのだから、一気に、ほぼすべての民主党議員を抱え込まなければならない情勢である。

これでは「看板の書き換え」のイメージしかなくなり、「新党」にもっとも要求される「清新さ」「（不安を抱えつつも）期待感」が上がっては来ない。「政権交代選挙」でみたように、「不安」は得票に大きな影響を与えない。大きな影響を与えるのは「不満」である。

小池氏は、「都民の何もせずに逃亡した」「踏み台にされた」という不満と、「看板の書き換えに過ぎない」という「不満」を抱え込むことになっているのである。

現状期待感よりも「不満」が大きくなる可能性が高い。

しかも「出馬」しなければ、さらに期待感はしぼむ。これは、小池期待バブルの終焉を意味する。その後と都政の「混乱」で一気に小池氏は失速するであろう。（何しろそれを打ち消す。期待感を持続させる実績が、これまでも国政においても都政においても皆無なのであるから当然である。）

また米国の動きも「誤算」であろう。
駐米大使あたりが表敬訪問してくるのかと期待していただろうが、米国側にその動きはない。

それも当然である。

第一次安倍政権時代、日本版NSC構想の下、重責を担わされた小池氏は米国を訪問した。その後米国から帰ってきたのは「もう二度と彼女を訪問させるな」という声であった。

「何も知らない。何も分かっていない。それでも同盟国のパートナーとして面会は受けなければならない。こんな時間の無駄はごめんだ」という理由であったという。

政権交代選挙前、「ゴーリスト」（シャルル・ド・ゴールからくる）と目された小沢氏に米国は面会を求めた。その際、小沢氏は、その面会を断るという手法をもって「米国と対等に話し合える男」というイメージを勝ち取った。（実際どうだったかは、民主党政権が表している。何もできなかった。のである）

そこまでの「警戒感」も何もないのである。

「誤算」は安倍総理側より小池氏に色濃く出ているのは、眼の下を見ればわかるであろうし、会見等の表情を見れば、どんどん醜い表情へと変わっている。ことから明白である。

まあこの程度の「能力」と「胆力」で祖国の危機など対応できないのは言うまでもない。

このように批判するが、私は、新党構想が出てきた際には、一種の期待をしていた。わが東京12区で公明党候補の対抗馬として誰かが出馬してくれるかも。と感じたのである。ところがそうそう、出馬しない。というい意向が漏れ伝わり、「公明党」への過剰な配慮を極めて残念なものと感じた。

今でも、東京12区で「希望の党」から出馬する候補がいれば、投票する可能性はある。
それが、小池氏でも。。。

では、小池氏の「追い込まれ出馬宣言」はいつか？？？
それは、6日金曜日、あるいは9日月曜日であろう。

なぜか？？？
サプライズだからではない。

「批判される期間を極力短くする」「批判を封じる」
これは、豊洲市場問題について「都議会選直前」に発表したパターンと同じである。

万一、出馬できなかった場合（しなかったではない。）
これもまた都議選後に自ら代表辞任を申し出たように
総選挙後、直ちに代表辞任となるであろう。
これまた逃避行動でしかない。

文責　上田　和哉