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テーマ:猫のいる生活(136016)
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中国の古典的な戦では、どの国も同じように「冷兵器」が使われていました。
冷兵器とは火器の対義語で、つまり火薬や爆発力による殺傷力を一切用いない兵器のことです。 冷兵器の大部分は刀剣や弓矢といった白兵戦向きの携帯兵器ですが、カタパルトのような大型兵器も使われていました。 たいていの場合、木、石、骨など自然界に存在する単純な素材によって作られているため、火器を使用する戦争が主流になる前は、兵器といえばもっぱら冷兵器を指していたのです。 そんな冷兵器でも特別変わってるのが「飛鐃(ひにょう)」と呼ばれる「シンバル」です。 そう楽器のシンバル。 「飛鐃」は「鐃鈸(にょうはち)」とも呼ばれ、日本では仏教の法会のときに用いる中央がくぼんだ銅製の皿状の物を2枚打ち合わせて音を出すシンバルのような楽器のことです。 これが武器になると、円盤のふちが鋭利な「刃」になってるのですね。 材質は銅の他、鉄を鋳造したものも使われます。 外見は楽器そのものですから、怪しまれることは少ないでしょう。 サイズは円盤の直径が約32cm のものと、約16cm のものの2種類があります。 前者は中央の盛り上がった部分に穴をあけ、その穴に長さ約3.3m の縄を通し、それを持って振り回すのです。 投げて、命中しなくても、縄を使って回収できます。 しかし縄の長さのために有効射程は3m 前後に制約されます。 回収が可能ですから、1個もしくは2個持てば充分です。 後者は中央の盛り上がった部分に穴はありません。 使う時はふちを持ってそのまま投げます。 こっちは9個~10個を1セットとして携帯します。 投げられた飛鐃は回転しながら目標を襲うため、ダメージを与える範囲が広く、非常にかわしにくいものらしい。 威力は達人になれば、衣服や肉を斬るだけでなく、樹木を切断し、岩すら砕くと云われています。 このように楽器が武器として使われた歴史に残る最初の例は、琴に似た楽器の筑(ちく)の名手、燕の高漸離(こうぜんり)による始皇帝暗殺の試みです。 高漸離は始皇帝の暗殺を試みた親友の敵討ちを試みたのです。 親友の暗殺の試みに怒った始皇帝は、彼の故国である燕を滅ぼしました。 燕を逃れた高漸離は名を変え、身をやつして隠れていました。 しかし高漸離が筑の腕前をたまたま発揮したため、その評判は始皇帝の耳まで達するに至り、始皇帝は彼を召し出させました。 始皇帝は自分を暗殺しようとした人物の親友だと知っていたので、復讐を防ぐために高漸離の目を見えなくしてしまいました。 そこで高漸離は筑に鉛のかたまりを仕込んで武器として機会をうかがい、筑の打撃が及ぶところまで接近して演奏できるようになったところで、筑を振り下ろしたのです。 しかし、高漸離は目が見えないために、一撃は空を切り、始皇帝には命中せず。 この後、始皇帝は秦以外の国の人間を近づけることがなくなったと云います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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