サッカークリニッキ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　SOCCER CLINIKKI

　ランニング・プロジェクトと名付けています。
　トレセン選考でくやしい思いをしたクリの走力アップトレーニング。
　神社の階段や坂道、山道など色々な場所を走って、飽きてしまうダッシュを楽しむようにしていますが、やはり、タイムが縮まったり、競争に勝てたりすることが、一番のモチベーション向上薬のようです。成長を待つことも有りですが、鉄は熱いうちに。
　目標は、
　運動会の徒競走で1位をとること。
　サッカークラブの同学年1位に勝つこと。
　50ｍを7秒台で走ること。

　先週の運動会ではダントツ1位でゴール。（ちなみに去年は、スタートで失敗したせいもあって5位＝ビリでした。）
「やったな。第一目標クリア。」
「うん。まーね。」
「おろっ。嬉しくねぇの？どんな大記録だってちっちゃい一段ずつやで。」
「まー、うれしいよ。」
「よし、来年は、学年で1位目指すぞ。」
「えー。」
「なれない？」
「・・・できるかも。」
「去年の秋から始めて、ずいぶん速くなったと思わないか？」
「・・・思う。」
「まだまだこれからだぞ。もっともっと速くなる。」
「だけどおっきい人がいっぱいいるもん。」
「体が大きいと有利なわけ？」
「歩幅が違うじゃん。」
「それから？」
「んー？」
「それだけじゃん。歩幅を大きくしようなんて考えなくていいんだぞ。」
「そーなの？だって歩幅が大きいと速いじゃん。」
「その分、脚の回転を速くすればいいんだ。
速く回転させる動きを覚えれば、歩幅は、ほっといても広くなる。」
「ほんとに？」
「ほんと。速く回転するということは、それだけ強い力で足を動かすということ、そのエネルギーを生み出せれば、自然に歩幅は広くなっていくんだよ。
歩幅を広くすることを考えていると回転が遅くなって、かえって遅くなる。
プラスのエネルギーは、地面からもらうから、体の大きさや力よりも走る姿勢や動きを良くしていけば、速く走れる。」
「ふーん。大地のパワー。」
「信じれば、未来は変わる。色んな練習したおかげでこの前のスポーツテスト、学年1位の点数取れたんだろ？何だって考えて一生懸命にやれば、１位になれるって分かったじゃん。」
「うん。」

「今日は、坂道行こうか。オカイケ公園な。」
「え。」
「カイダン神社にする？」
「んー、公園。」

「ここの公園の丘はちょうどいいな。」
「ちょうどよく、ない。」
「そんなこというなよ。ヒーローインタビューの時に、あの丘のおかげですつってくれよな。」
「あの丘さえなければっていうかもね。」
「おお。丘を転がるようにしゃべるね。その調子でいってみようか。」
「下りだけにしない？」
「あほ、せっかくこんなにいい坂があるのに下りだけじゃ申し訳ねえだろ。」
「ぜんぜん。」

【坂道ラン】
　下り坂～体は、地面と垂直に。立って（後ろに反って）しまうと、ヒザがつっかえ棒になってブレーキが掛かる。
　ブレーキを掛けず、斜面の力（重力）を利用して思いっきり速く走る。
　斜面が途切れて平坦になるところで、さらに加速して、斜面での速度を落とさないように20mぐらい走り抜ける。
　今まで体験したことのないスピードを経験し、その時の手足の動きを体が覚える。

　上り坂～平地であれば、前傾して走っている状態。踏み出す足に乗りながら、2直線上を走る。
　踏み込んだ足のヒザを抜いて、次の足に切り替える。
　足は、おケツから、骨盤、ハムストリングスで出していく。

「下り坂でも、恐れず、スピードに乗って行け。坂を下るときも、踏み出した足にしっかり乗る。
腰ごと乗っていく感じ。」
「へーい。」
「坂道下った後、平地になっても加速するつもりで行けば、下り坂と同じスピードが出るだろ。
すごく速く走れる。感じたろ？」
「うん。」
「脚がすごく速く回転する感覚を忘れるな。」
「はーい。」
「身体がその感覚を覚えれば、足が自分で動いて速くなってくる。」
「へー。」

「上り坂のときは、階段上りと一緒。２直線上をしっかり軸を切り替えながら走る。
おケツ（骨盤）から前に出るような感じ。」
「ひー。」
「出した足に乗れ。頑張る！最後まで、最後まで！」
「もーだめ。」
「オシムジャパンは近いぞ。ラスト！」
「ハニューは、えらいね。」
「タカも、コマノも、みんな、相手の前に出るために90分間、走り回ってるぞ。」
「あと3本やる。」
「おお、オシム・チルドレン！」