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カテゴリ:わくわく児童文学
小野不由美の作品で,絶版となっていた〈悪霊シリーズ〉がリニューアル版でよみがえった。その第4巻を読んだ。
○ストーリー 〈渋谷サイキックリサーチ(SPR)〉と仲間たちは,緑稜高校の校長に依頼され超常現象の調査に赴く。だがその学校で彼らが出会ったのは,見下し敵対的な態度を取る教師たちと,彼らと口をきかないように言い含められた生徒たちだった。そんな空気と関係なく現象は起き続ける。それは場所を変え,徐々にチカラを強める。あたかも○○のように。それに〈SPR〉が気付いたときは,既に手遅れだった??? ------------ またまた高校が舞台だ。やはり発表当時のヤングアダルト作品の条件の一つだったのだろうけど,それにしても続くなあ。 しかも前回以上に雰囲気の悪い学校だ。根拠も無く高飛車で不遜な,およそ考えられる最悪のタイプの教師・松山が,麻衣たち〈SPR〉のお目付け役としてまとわりつく。 事なかれ主義の校長,やたらといばる教師,萎縮してしまう学生。まさにアウェイな状況だ。 ------------ だがここに生徒会長で,弁舌さわやかで,教師たちも説得してしまう少年が現れる。彼のおかげで滞っていた調査は前進する。 とは言え,調査の進み方はロジックよりも,麻衣のカンに頼る部分が大きい。読んでいてなんとなくもどかしいのは,せっかくの調査が整理されず,きちんと実を結ばないことだ。 毎度毎度,〈SPR〉をサポートする霊能力者の4人はご苦労様だ。散々こき使われて,いいところは所長の渋谷〈ナル〉と,助手・麻衣が持っていってしまう。 まあ,今回はいつも以上にいい人オーラ出ていたからいいんだろうけど。 ------------ 〈SPR〉サポートメンバーと言えば,前回は僧侶の滝川法生の日ごろの生活が明らかになった。今回は,霊媒少女の原真砂子の過去が少しだけ明らかになる。 巫女・松崎綾子が最上階の豪華なマンションに住んでいるのは分かったけど,それだけではいろいろ分からないので,次の巻あたりに,少し背景が描かれるとうれしい。 なんてったって,彼らがこのシリーズを面白くしているのは間違いないから。 ------------ 巻を追うごとに,ホラーとして迫力が増す。 次を手に取る前から,怖くて仕方がない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.10.01 22:49:35
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