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カテゴリ:わくわく児童文学
平成版〈悪霊シリーズ〉の最終巻を読んだ。
○ストーリー 前回の仕事からの帰り道,〈渋谷サイキックリサーチ(SPR)〉の仲間たちは,湖畔のキャンプ場を通りかかる。その時,所長の渋谷ナルが気付く。「やっと,見つけた」。ついに明かされるナルの秘密とは?そして〈SPR〉最後の仕事の結果は? ------------ シリーズ第7巻かつ最終巻だ。 珍しく前巻の後日談から始まり,東京への帰路で〈SPR〉が巻き込まれる事件を描いている。前巻から続いている関係もあり,自然と〈SPR〉のサポートメンバー全員登場だ。 主人公・麻衣にとっては高校2年生の夏休みらしいが,それにしても長いこと家を空けていることになる。他のメンバーも大人とは言え,1ヶ月も出掛けたまま,って・・・?生活の糧はどうなってるの? ------------ 今回は,〈SPR〉の謎に満ちた美少年(だが性格の悪い)所長・ナルの秘密が明らかになる。彼の過去の因縁と関連がある場所がついに発見され,その時の事件の謎が解かれる・・・ と思ったら,都合よくその土地でも悪霊つきの学校があって,〈SPR〉はその除霊を依頼される。 最大の謎に挑む,と思ったら,いつもより小さな事件に巻き込まれて,それが解決したら,本編も終わってしまった。あれれ?という肩透かしがある。 もちろん〈SPR〉や所長の過去については一通りの謎解きがされるのだが,過去の事件については全く触れられずじまいだ。 ええーっ?消化不良。 ------------ 旧シリーズからのファンにとっては,別のポイントで不満があるようだが,平成リライト版しか知らない僕には上記の方が気になって仕方がない。 旧バージョンでも事件についてはうやむやだったのかなあ?ただの偶然の事故ってことはないよね? これはこれから執筆される第2シーズンで明かされるのだろうか?・・・もっとも終了宣言がされていて,一切予定は無いみたいだけど。涙。 ------------ 先に書いたように最終巻らしからぬ中規模な除霊仕事を〈SPR〉はこなす。前巻までで,それぞれ高い能力を示した面々だが,今回はお話の都合で役に立たないのが残念だ。 最後にそれぞれ見せ場を作ってあげようよ! 仕事の完了後は最終巻らしく和やかに終わるのだが,そちらばかりにページが割かれていて,〈SPR〉の仲の良さは伝わるけど,能力の程はどうなんだろう?という巻になっている。 ------------ もったいないと言う気持ちがあったので,この第7巻を読むのに2ヶ月待ったけど,ついにシリーズ読み終えてしまった。 表紙が少女マンガ風で躊躇していたし,読み進んでいる間もちょっと気後れする部分があったけど,間違いなく一流のエンターテインメントだ。 平成版としてのリライトによって復活したことは,とても喜ばしいことだったと思う。作者,イラストレーター,出版社も本気になっていた復刊だからこそ,ここまで高い品質が出せたのだと思う。良い仕事だよなあ。 ------------ 図書館には,お蔵入りとなった続編「悪夢の棲む家」があるんだけど,ガッカリしそうで読むべきかどうか悩む。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.02.24 18:37:38
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