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カテゴリ:わくわく児童文学
2002年に刊行された高楼方子(たかどのほうこ)の物語を読んだ。
〇ストーリー いたずら好きの人形・チョロップは,バザーでキムヅカ家にもらわれる。だがキムヅカ家は全員気難しい一家だった。チョロップは,この家の飼い犬・シロと一緒に,キムヅカ家の人々にいたずらを仕掛ける。すると? ----------- 高楼方子が文だけでなく絵も担当した小学校中学年向けと思われる物語だ。 物語はひじょうにシンプルで,生真面目なお父さん,素直なお母さん,ということで,いつの間にか気難しい雰囲気になってしまった一家を舞台に,それがゆっくりと解消される過程を描いている。 ----------- もちろん,人形にチョロップと飼い犬のシロが,喋れて動けて字も書けるという設定はファンタジーだ。ただ,キムヅカ家ほど極端ではなくても,各家庭で少しずつ上手くいっていないことがあるのではないだろうか? もしそれがちょっとしたきっかけで解消されて,笑顔が増えるのならば,と考えるだけで,ワクワクして来ないだろうか?そのワクワクを元に誰かが動いてみたらどうだろう? 物語のチカラとは,そういう部分にあると思う。 ----------- 上に書いたように,文も絵も高楼方子だ。上手い!というレベルではないが,チカラの抜き具合は手馴れていて,なかなか味がある。 裏表紙のイラストはほのぼのしたし,表紙裏のあみだくじ風のイラストは見ていて飽きない。 ----------- いつものふっと怖くなる凄み,というものは無かったが,十分楽しめる作品だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.08.22 21:19:12
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