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私:全米科学財団が1月に発表した2016年の科学技術の論文総数ランキングでは、 1位=中国、2位=米国、3位=インド、4位=ドイツ、5位=英国、6位=日本。
A氏:日本の科学低下の「知的漫遊紀行」は下記のようになっているね。
「大隅氏、基礎研究の危機訴え ノーベル賞金、若手支援に活用」、「科学界、存在感増すドイツ 研究資金安定、論文数の伸び堅調」、「大学の研究力低下、打開には 資金・時間・ポスト…どう確保 6月までに政府が戦略まとめ」、「イノベーション政策 政府は『主導』より『対処』を」などがあるね。
私:今日の新聞記事は、直接、科学研究でなく、研究を支援する実験機器の操作や保守をする技術職、研究費を管理する事務職など、研究の「裏方さん」の問題だね。
2013年に施行された改正労働契約法には、有期の雇用契約を更新して通算5年を超えると無期契約への転換を求めることができる「5年ルール」が盛り込まれた。
だが、文科省が今年、国立大学を調査したところ、無期契約に転換する制度を導入し、雇用期間に上限を設けないのは東大など8大学にとどまることが分かった。
A氏:文科省によると、全国の国立大学には約10万人の有期雇用者がいて、研究者たちの仕事を支える「研究支援者」が、その大半を占めるとみられる。
研究支援者の業務は、実験装置の保守や資材の調達から特許事務、研究費の管理まで多岐にわたるが、こうした人々が雇い止めの対象になると、研究現場には大きな影響が出る。
私:文科省科学技術・学術政策研究所は、研究力低下の原因として「研究者が研究に割ける時間の減少」を指摘し、その一因として、研究支援者の確保の問題を挙げた。
事実、同研究所の2013年の大学などの教員アンケートによると、教員が研究に割く時間の割合は2002年の46.5%が、2013年には35.0%に低下。
全国最多の5457人の有期雇用職員を抱える京都大学では、このうち3316人が、事務系や技術系の研究支援に関わるが、70人以上が今年3月末に雇い止めの対象になったとみられる。
大学側は「契約期間満了に伴う対応」(人事課)とするが、京大教職員組合は「法の趣旨を踏まえず研究教育の現場への影響は深刻」(川島隆委員長代行)と反発。
給与は大学の「運営費交付金」のほか、研究者が応募し国の審査を経て支給される「競争的資金」でまかなわれていた。
国は「運営費交付金」を減らし、「競争的資金」を増やしてきた。
「競争的資金」は、期限付きの資金なので安定雇用の財源には向かないが、その依存度は増すばかり。
3月末に473人を雇い止めした東北大学は「非正規雇用の財源の5割がこうした資金に依存し、雇用上限の設定は今後も避けられない」と説明。
A氏:多くの学者が研究支援者の重要性を訴えていて、京大iPS 細胞研究所の山中所長も12年のノーベル賞授賞当時、米国での研究支援者の充実ぶりや社会的地位の高さなどを引き合いに「育成のため長期間雇用する必要がある」と指摘。
不安定な人件費を補うため、自身が設立した基金への寄付金をあてている。
大学の研究環境に詳しい近畿大学医学部の榎木英介講師は「本来は必要なキャリアパスを用意して育成すべき専門職だが、生活が不安定なため優秀な人材が集まりにくく、日本の科学力を低下させる一因になっている」と指摘。
私:一方、解決へ向けた独自の試みとして、名古屋大学は、「競争的資金」が切れて業務を離れざるを得ない有期雇用者を、欠員が出た別の学部に異動することで解雇を防ぐ仕組みを導入。
全国大学高専教職員組合の長山泰秀書記長は「学部や研究室単位での縦割りを超え、雇い止め問題を大学全体で解決する姿勢が必要」と指摘。
しかし、そんな小手先の手段では、日本全体の科学力低下は防止できないだろうね。
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Last updated
2018.07.12 16:34:38
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