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2008年04月14日
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カテゴリ:いわき
■気になる本  - フタバスズキリュウ発掘物語 -
-------------------------------------------------------

 閑伽井嶽と夏井川
   遠き近きに見るところ
 平工業高校の
   学舎に集う健児団
 新天新地光明の
   輝くもとに励み合う

 この歌詞、「あーかいがーだけと なついーがわ」で
始まる校歌は、福島県立平工業高等学校です。
 
 昭和15年に創立した、福島県内でも歴史ある工業高等学校で、
当時は、電気科40名 採鉱冶金科30名でスタートしました。
勿論、常磐炭鉱が地元にあったからです。

 昭和41年1月15日いわき市に「日本のハワイ」と謳った
常磐ハワイアンセンター(当時)がオープンしました。
(現在は、スパ・リゾート ハワイアンズ です。)
そして、映画「フラガール」のモデルになった都市でもあります。
http://plaza.rakuten.co.jp/sakae2/diary/200701150000/

 
 著者によりますと、その福島県立平工業高等学校の
2年生であった鈴木直(すずき ただし)さんが、
福島県いわき市大久町入間沢の大久川河岸で化石を発見し、
昭和43年10月に、国立科学博物館の小畠郁夫博士
に手紙で連絡しました。
 それが、フタバスズキリュウの大発見だったのです。

 私の母校でもあるので、鈴木さんは私の先輩になりますね。
でも、当時、別の高校生であると知らされたような記憶が
あるのですが・・・、ま、記憶違いかもしれません。
(著者の長谷川善和さん、間違いではないでしょうか?)

 なぜ、大発見だったか。著者によると、
当時、日本では恐竜、海竜等の化石は見つかっておらず、
せいぜいアンモナイトや三葉虫のたぐいだったらしいのです。

 まして、その時代には、脊椎動物化石を専門に研究して
いる人は、著者によると日本では皆無だったようです。


 いま、
「フタバスズキリュウ発掘物語 8000万年の時を経て甦った
クビナガリュウ」(著者 長谷川善和 著、
出版社 株式会社化学同人、発行年月 2008年03月)
を読み終えました。

 著者は、長谷川 善和(はせがわ・よしかず)氏で、プロフィール
はこちら。
-------------------------
1930年長野県生まれ。
1955年横浜国立大学学芸学部卒業。
国立科学博物館研究員、横浜国立大学教育学部
教授を経て、現在、群馬県立自然史博物館館長。
理学博士。専門は古脊椎動物学(ナウマン象、恐竜、
ペンギンもどきなど)。
これまでに採集・発掘した15,000点を超える化石は
「長谷川コレクション」としても知られ、博物館で展示
された。子とも向けの絵本や恐竜図鑑の監修、
訳書などが多数ある。
-------------------------------

 フタバスズキリュウ。学名は「フタバサウルス・スズキィ」
人類が存在していなかった、いまから8000万年くらい前。
海生爬虫類に属する新属新種であることが、やっと2006年に
認められました。発見から38年も経過してです。

 それだけ、発掘、調査等、時間がかかるものです。
あと費用もでしょうか。費用については、著者が問題点として
述べています。


 さて、鈴木さんの手紙をみた国立科学博物館の小畠郁夫博士
は、同じ階で仕事をしていた著者にも相談をしたそうです。
それで、何通かの手紙のやり取り(当時は携帯電話もなければ、
黒電話も、一般家庭では設置していなかったと記憶しています。)
そして、いわき市にいくことにした と述べています。


 ところで、人間の骨の数はいくらあるか知っていますか?。
おおよそ、200個位だそうです。それらの骨を組み上げて
人体を構成してみて といわれても知識がないし技術も
ないし無理でしょうね、私には。

 著者は、当時を振り返り、学術書を輸入で購入しており、
現地にいく前に、世界で発見された海生爬虫類のイラストや
メモを頭に入れていったといいます。 みつかった骨が
おおよそ、どの部位かを推定するために。そして、それが
発掘の作業手順や場所にも影響をするというのです。

 現在ですと、著者らのお蔭で、イメージ図ができあがって
おります。川崎悟司氏のイラストを参照してみてください。
http://kawa3104.hp.infoseek.co.jp/hutabasuzukiryu.html


 発掘作業は、第一次、第二次とわかれ、
第一次は、昭和43年10月31日から行っていますが、
なんと発掘費用は、著者らの自費で行ったということです。
勿論、鈴木少年から手紙を受け取って、いわきにいった
ときも自費だと述べています。

 そして第二次発掘が開始される前に、朝日新聞社から
事業費の提供をうけて、国の補助もでて大規模な
発掘作業が始まったそうです。


 著者の本に掲載されている白黒の写真(現場写真)と
同じ写真(カラー)を見つけました。

(参考)いわき市石炭・化石館
http://www.sekitankasekikan.or.jp/html/ifutaba.html


 また、最近の著者を写真でみることもできます。

(参考)千葉県立中央博物館 化石展トークショー
http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/exhibitions/special_ex/2007kaseki/gyoji_6_talk.html



 南アフリカのローズ大学に在籍していた
魚類学者J・L・B・スミス博士は、1957年に
「Old fourlegs」(古い4本足)という本を出版したのです。
(この本を著者は自費で購入したといいます。結局、給料の
3分の1は書籍代金に消えたといいます。)

 著者の言葉を借りれば、
「専門家の立場からすると、生きているシーラカンスの生体の
構造や生態を知ることによって、化石として知られている
シーラカンスの復原を考え、シーラカンス全体の進化の方向を
より詳しく知ることができるという意味からも、たいへんに
興味をそそられる生き物なのです。」
と述べていて、「生きている化石」といわれるシーラカンス
に興味深々です。

 勿論、フタバスズキリュウと同じ時代に生きたシーラカンス
ですから。

 2007年(平成19年)11月24日には、
福島県いわき市の「ふくしま海洋科学館(通称アクアマリン)」
で「シーラカンスの謎に迫る! 2007」という
国際シンポジウムが開催されました。

 アクアマリンでは、海洋に関するユニークな研究を実施して
います。私の記憶によると、2000年(平成12年)の
7月15日にオープンしています。

 その翌年の1月には、アクアマリンシーラカンス委員会が
発足しています。

 2002年2月には、第1回シーラカンス国際シンポジウムを
開催しています。

 そして、2006年5月30日には、アクアマリン調査隊、
日本で初めてシーラカンス撮影に成功しています。
場所は、インドネシア・スラウェシ島のボオール沖で
シーラカンスの映像撮影に国内のチームでは初めて成功
したのです。インドネシアでシーラカンスが発見されたのは
5個体目で、映像撮影に成功したのは、世界でも1999年の
ドイツのチーム以来、2例目となりました。

(参考)ふくしま海洋科学館ホームページ
http://www.marine.fks.ed.jp/japanese/coelacanth/coelacanth_01.htm


 そして、著者が関係している新しい発見をもう一つ。
これは、地元タブロイド版の2003年(平成15年)
7月2日夕刊の切り抜きから引用します。
------------引用--------------------------------
草食恐竜脊椎化石国内最古
元年にアンモナイトセンターで発見
 高橋さんら論文発表

 市アンモナイトセンターがあるいわき市大久町の
双葉層群足沢層から平成元年に発見された中生代白
亜紀後期(約8500万年前)の大型草食恐竜・ハ
ドロサウルス科の脊椎(せきつい)の化石が、これま
で国内で確認された中で最も古いタイプの化石であ
ることが分かり、群馬県立自然史博物館が3月に発
行した「館報」に発表された。同センターでは、4
年のオープン当初から発見場所に発掘した状態でレ
プリカを展示してきたが、今回の論文の発表で、学
術的な見地からの位置づけと時代が明確になった。

 化石は、元年に市アンモナイトセンターの建設を前
に、海竜の里化石発掘調査団(高橋紀信代表)らが発
掘基礎調査を行い、中生代白亜紀後期の地層から発見
した。2年に市教委が出した発掘報告書にはハドロサ
ウルス科の首あたりの背骨ではないかとされていた。
 これまで高橋氏、長谷川善和同館長らが詳細な調査
を進めてきたが昨年、国立科学博物館地学研究部の真
鍋真氏が加わり、本格的に研究を開始。世界で発見さ
れたハドロサウルス科の骨と比較し、ハドロサウルス
科の成体になる前の段階である亜成体のハドロサウル
ス科の首と背骨を結ぶ一番前の骨の「第1胸胴椎」の
部分と同定。発掘した地層から国内最古の化石である
ことが分かった。県内ではほかに、時代は新しいが双
葉郡広野町からもハドロサウルス科の化石が出てい
る。
 ハドロサウルス科は、白亜紀後期に登場した鳥脚類
の大型草食恐竜。多数の列に連結する歯を持ち、木の
枝など堅いものも食べることができるなど、植物を効
率よく食べるのに適した特徴を持つ。
------------------------------------------------


 でも、時代を8000万年前にタイムスリップし、
いろんな種の動きをみせてくれる、そして自然の
壮大な想いを垣間見させてくれる本です。

 著者は、この本を通じて、発見から発掘、復原、
種の固定まで解説してくれています。考古学や化石採掘、
等に興味のある中学生以上の方でしたら、なんとか
読了することができるかと思います。

 最後にフタバスズキリュウを発見した鈴木直さんは、
現在はどうか未確認ですが、いわき市アンモナイトセンター
に勤務されています。

 このセンターでは平成20年度も発掘体験をすることが
できますので、次のホームページを参照して、是非、
チャレンジしてみてください。

(参考)いわき市アンモナイトセンター
http://www.ammonite-center.jp/


(4月14日)


フタバスズキリュウ発掘物語





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最終更新日  2008年04月14日 13時08分18秒
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