「探偵部への挑戦状」東川篤哉
東川さんの作品は、ユーモアミステリとしてのユルさ加減は脱力級なのに、実は、見かけによらずバリバリの本格ミステリである、というのが魅力です。知る人ぞ知る、という多少マニアックなファンのつもりでいたら、「謎解きはディナーのあとで」が大ヒットし、本屋大賞まで取ってしまい、すっかり人気者になられました。それでも 私は東川さんの本領は、出すごとにレベルアップして驚かされた「烏賊川市シリーズ」のような長編にあると思っています。学園ミステリとしては 「鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ」があります。部長たちと赤坂君が そこそこ活躍する「学ばない探偵たちの学園」と「殺意は必ず三度ある」 は、長編、で殺人事件が起こります。一方、副部長である霧ヶ峰涼が主人公の「放課後はミステリーとともに」 と「探偵部への挑戦状 」は、短編集で、殺人など起こらず、日常の謎が中心の短編集です。つまり、「探偵部への挑戦状」 は、実にお気楽な学園ミステリ、ということです。堅いことを言わずに、すっかり油断して楽しめばいいのではないでしょうか。そういう点ではお正月に読むのにふさわしかったかな、と思います。 【送料無料】探偵部への挑戦状 [ 東川篤哉 ]価格:1,470円(税込、送料込)にほんブログ村