カテゴリ:誘水日記
死期が迫っていることがわかって、
そこに神様か悪魔かわからないが、 運命を握っている何者かが近づいてきて、 「右腕を一本切り落としたら命を助けてあげよう」 と言ったとする。 足でもいいし、目でもいいし、当たり前に使っている体の一部を命と引き換えにしろと言うとする。 さて、どうするだろうな。 がんの手術は、そういうことかもしれない。 胃を切り取れば命を助けてあげる。 腸を捨てれば、 お乳や子宮や卵巣をあきらめれば。 命と体の一部の交換。 体の一部をなくしてでも助かりたいと思うのが人情。 それだけ命は重いということ。 だけど、 この間話を聞かせてくれたSさんは、 いいことを言っていたな。 数年前に乳がんの手術をしている。 そのとき思ったそうだ。 「がんと一緒に自分を縛っていたものもなくなる。自由になれる」 そういう考え方もある。 実際、手術のあとの彼女は大いに羽ばたいている。 「腕を一本差し出せば命を救ってあげる」 と言われたら、 果たして自分はどんな選択をするのだろうか? 腕も命もほしい。 欲張りなのか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019年06月12日 16時38分31秒
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