「立川談春新春独演会」/春風亭昇太
休日。午後、桜木町へ。昼間に通ることがないので今まで気がつかなかったが、横浜・桜木町間の山側に、いつの間にか「幸福の科学」の建物が建っている。なんとも悪趣味で周囲の景観から浮いているのだが、いつからあるのだろうか。もう少しシックな外観にしたほうが、信者も増えるのではと思うが。横浜にぎわい座、「立川談春新春独演会」。補助席も出るほどの超満員。しかも、開演前から客全体が前のめり気味。この期待値の高いムードは、ほかの落語家の会でのそれとはちょっと質が違う。ここでしか味わえないのではないか。当然、堀井憲一郎も客席に。2日に1度のペースで目撃。談春師、一席目。マクラで母親のことを話し、「妾馬」。こんな八五郎みたいな人物をやらせたら天下一品。「山田洋次じゃねぇんだからなぁ」にはウケた。‐仲入り‐談春師、二席目。「ほかに取り柄もないので、気が狂ったように落語をやります。」とだけ言って、「鼠穴」。そんなセリフがさまになる落語家がほかに何人居ますか。かっこいい。心底、シビれた。もう最近の談春師の落語には何も言うことがないのだ。とても充実しているし、落語ファンもそれをわかっているという状況。これ以上があるとすれば、落語ファンを越えて世間に認知されることのみなのだが、さすがにこの壁は厚い。本来は、談春師のような本寸法のひとこそが打ち破るべき壁だと思うのだが。伊勢佐木町へ。カレーミュージアム。やや混雑。久々に入ってみたが、入ってみると食べる気がしなくなる。スタッフがやけに馴々しい。馬車道。ディスクユニオン、中古CD3枚。チャーリー・パーカー、アート・ブレイキー、マイルス・デイヴィス。関内。ガスト、若鶏のグリル。横浜西口。ジョイナス、新星堂。東京かわら版、ようやく購入。いつもここで買っているのだが、今月は一度売り切れたようだ。時代は変わったな。「東京かわら版」、巻頭エセーは福田和也。談春師に興味を持ったのは「談志が死んだ」を読んだのがきっかけ。その後、平成15年12月29日にお江戸日本橋亭まで聴きに出かけたと、日付まで正確に書いてある。僕が談春師が凄くなってることに気がついたのは平成12年3月の「花形演芸会」で、やはりその年には銀賞を獲得した。それから3年以上もあとなのだから、福田先生もまだまだだな。帰宅。テレビ、少し。◆「トップランナー」阿部サダヲ。大人計画入団時、阿部も松尾スズキも互いに怖い印象を持っていたのが面白い。今は有名になったから良いが、無名のころの大人計画に加わるのはさぞ怖いだろうと思うし、加わるひともよくあんなところに加わるよなぁと思う。◆「Tokyo,Boy」、代官山散策。浅草キッド、松村邦洋、伊藤裕子。“ちょいワル”ファッションできめているキッド。玉袋なんかけっこうさまになってるのに、どうしても居心地の悪さを感じている様子。若いころに染みついたものからはなかなか抜けられないのだな。◆「情熱大陸」春風亭昇太。「タイガー&ドラゴン」終了から半年以上が経ってとは、なんとも変なタイミング。少しばかり古くからの落語ファンにとっては、ずーっと前からわかっていることなので、この昇太師のもてはやされかたにはかなりの違和感がある。ちょっと前には昇太師ひとりが圧倒的に目立っていた時期もあったが、今が落語ブームだとすれば、昇太師だけではないだろうにとも言いたくなる。落語は年寄りの聴くものだと思ってたけどイメージが変わった、みたいなレベルはもう終わりにしましょうよ。これは昇太師の面白さとはまた別の話だ。