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せんだって日記

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2005.10.29
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 せんだって、神奈川県知事・松沢成文のブログ・タックルレポートの新エントリ「闘う知事会、一致してゲーム販売の自主規制徹底を要請」を読んだ。

 誇るべし。
 知事は節を曲げた。
 知事は、間違っていたと自ら認めたのだ。
 とりあえず、「規制懐疑派」は、勝ったのだ。要求を通した。
 いまこのタイミングは、絶対に勝利宣言しとくべきだ。政治力学として。
 たくさんの人間が、勝利宣言して既成事実化するべきだ。昔のサヨクみたいでみっともないけどな。

 立場的にも、そして政治家のメンツもあるだろうから、知事会は絶対に頭を下げることはないだろう。そこらへんの心情は、汲んであげようじゃないか。
 「闘う知事」なんてカラ元気を奮い起こさなければ体面を保てない状況なのは、わかってあげようじゃないか。なあ。
 ゲームを片っ端から有害図書に指定しまくる根拠を、イニシアチブを、彼ら知事会は、放棄したのだ。
 あくまで想像の域を出ないことだが、ソフ倫型モデルによる利権目的があったかもしれないし、竹花型の権力強化の狙いがあったかもしれない。
 仮にそのような泥臭い田吾作な狙いがあったとして、業界団体の自主規制に優位性を持たせるという方向づけがなされた以上、これからは無知無学不勉強な役人が横車を押すことは筋違いとなる。
 これからは、エキスパートの仕事だ。エキスパートとは、役人以外の人という意味だ。
 落とし所としては、こんなところだろう。
 「18歳以上推奨」が「18禁」になってしまうわけだが、「オトナ像」を代表するような県知事や都知事や府知事がこんなにもガキっぽい(下段注:*1)現状、青少年を健全に育成するためには、まあやむを得ない措置かもしれない。
 つまりどういうことかというと。
 自治体の「がっかり政治」の害から青少年を守るためには、方便として「18禁」ってことにしておくのは、必要だ。
 自治体に象徴されるようなテメエ勝手な「オトナ」が、子供をspoilしたり傷つけたり失望させたりしてストレスを与えることが、少年犯罪のまぎれもない原因だからだ。

 あらゆる表現物そのものには害はない。
 それを害としてしか捉えられない人が、自分の中に害を生み、その害を周囲に撒き散らすのだ。

 有害だという声が大きい社会ではそれは害となり、上手に処理できる人が多い社会ではそれは優れた作品となる。
 「なる」というのは、「ほんとうにそうなる」ということだ。「そのようにみなされる」というレベルでは留まってくれない。
 だから、些細なことにも「有害だ」と大騒ぎすると、煽られた不安感によって、印象として治安はどんどん悪化してゆく。それはもう坂道を転がるように。
 つまらない法律は、モラル意識を壊す効果を持つ。
 人の心が世間を構成するのだから、不安感情をベースとした社会では「有害」なものが増え、それに対応して推し進められる規制政策がなおさらその不安感に拍車をかけるという悪循環に陥る。いまの知事会がしようとしているのは、このベクトル。

 「規制反対派」がはるか遠く望むのは、信頼感をベースとした社会。
 自律した個々人が、責任と誇りを持って自由に生きることだ。




 ゲームの業界団体に要請書を持って行ったのが神奈川県知事の松沢氏ひとりだったのは、ババを引かされたのだという見方もできる。
 「地方自治体主導でガンガン行く予定だったんだけど、やっぱやめます」という文書を、「上からのお達しだ」って態を装って持ってかなきゃいけないなんてカッコワルイこと、誰もやりたくはないだろう。
 ゲーム規制の問題に火を点けた松沢氏が詰め腹を切らされたのではないか。

 だいたいがこの知事会は、闘ってなどいない。脅しをかけただけだ。なんて卑怯なんだろうね、まったく。

松沢神奈川県知事を直撃…「ゲームで殺人は、やりすぎ」
松沢知事は「私には、ゲーム業界をつぶす意図などは、まったくない。一言で言えば、子供相手にテレビゲームで殺人を体験させるというのはいくらなんでもやりすぎでしょう、ということです。今回の規制は、そのことを業界に伝えるための、一種のエクスキューズ(口実)です」と語る。
--中略--
 「もちろん、テレビゲームが青少年の成長に悪影響を与えるかどうかについては、正式な研究結果もまだ出ていない。それは私も十分分かっています。しかし神奈川県には、悪影響を与えそうなものから青少年をなるべく遠ざけようという趣旨の青少年保護育成条例があります。その条例にのっとって、今回の指定に踏み切ったわけです」


 ほら。
 そもそも少年犯罪を惹起するからという理由で『GRAND THEFT AUTO 3』を有害図書指定したにもかかわらず、「じつは口実でした」なんて、すでに逃げてるじゃないか。
 「やりすぎでしょう」と思ったのであれば「やりすぎでしょう」と伝える方法もとれたのに、後ろからいきなり「有害っ!」というのは、やはり自治体の長としての資質を疑われても仕方がないだろう。
 だいたいなんだ?
>しかし神奈川県には、悪影響を与えそうなものから青少年をなるべく遠ざけようという趣旨の青少年保護育成条例があります。
って、言ってて変だと思わないのだろうか?
 たしかに為政者にとっては都合のいい条例だけども、この考え方を突き詰めていくと青少年の健全さがどうなるか。
 20秒も考えれば社会の危機に気付くだろうに。


脚注
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

(*1)
残虐ゲーム規制、吠える石原都知事

 東京都はゲームソフト・メーカーや販売店などの関係業界に呼びかけ、「テレビゲームと子どもに関する協議会」を設置した。第1回会合を10月19日に開いた。都の公式サイトでは同協議会設置に関する発表資料を掲載し、「過度に暴力的なゲームソフトが犯罪の引き金になっているとの指摘もされております」「テレビゲームと青少年とのよりよい関係を提示し環境を整えていくことは、社会の要請であり、大人としての責任であります」と設立の狙いを説明している。
 石原知事定例記者会見録では石原慎太郎知事の考えを生の言葉で読める。6月24日の会見録には「有害図書の問題なんかも、テレビゲームを含めてですけど、非常に残虐なですね、行為というものをゲームの中で行って顧みない。ただ、それは非常にバーチャルなものでしかないんだけどね、そういうゲームの中で味わう変なエクスタシーというものが実は非常に危険なもので、他人に対しても、実生活の中でそんなことはできないのにゲームの上では簡単にできちゃう」と持論を語っている。
 「いろんなツールを通じて提供される情報なりゲームのドラマっていうものの中に自分が身を置くことでの、非常にバーチャルだけど生々しい、しかし、それは全然現実的でない、まさに非現実そのものでしかないのに、その判断というものがつかなくなっているというのはあるでしょうね、情報に埋没すると。一種の麻薬中毒みたいになっちゃうんでしょう、感性の上で麻痺してしまって」とも述べた。
[2005年11月17日/IT PLUS]






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最終更新日  2005.11.19 14:36:57
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