カテゴリ:旅日記(中国)
こちらが、福岡八幡神社の拝殿↓。
いくら参道を上がってすぐ脇に灯籠や狛犬があったからって、 この拝殿もすぐ真ん前にあるので、まずは神様へご挨拶するのがスジというもの。 が、今回それをしなかったのには理由がある。 拝殿の正面を見てください。 賽銭箱が置いてないでしょう? しかも、拝殿の正面はガラスの戸があって、ぴっちり閉まっている。 困ったな・・・ どうやって参拝したらいいんだ、ここ・・・ 昨日の橘神社ほどではないけど、結構参拝客も入れ替わり来ていた。 が、来てどうするのかと灯籠の写真とかを撮りながら横目で他の人の動向を観察してたら、 みんなガラス戸を開けて中に入っていく。 最初は限られた人だけが入っていいのかとも思ったけど、 来る人来る人みんな自然に中に入っていくので、 そういうスタイルの神社なのかな?と思って、近寄ってガラスの中を覗いてみた。 そしたらちょうど宮司さんらしき人が入口近くにいて、 「どうぞ」 と言わんばかりにガラス戸の向こうから会釈を返してくれたので、 安心して山靴を脱いで上がらせていただいた。 中に入ると、おザブが整然と沢山並べられてて、 脇にはストーブで温まる親子がいた。 ちょうど神前には座って参拝してる人がいたので、 内部の建築を見ながら前の人が終わるのを待った。 まずは参拝を・・・と思って神前に進んではみたものの、 普通の神社とあまりに勝手が違うのでどうしたらいいのかわからない。 待機用とは別の、お参り用に神前に置かれたおザブの斜め前には、 さきほどの宮司さんが幣(ぬさ)を持って立ったまま私を見ている。 普段は見栄っ張りな私でも、こーゆー時は素直に教えを請うことにしている。 「す、すみません、初めてなもので・・・ ここに座ってお参りしていいんですか?」 宮司さんはちょっと驚いたようだったけど、笑って、 「そうですよ。どうぞ」 と言ってくださったので、ザックを下ろして座ってお賽銭を入れた。 と、おもむろに宮司さんが私の真ん前に立って、 幣をバッサバッサ振りながら祝詞を上げてくださった。 うおおお~、こんなの初めてだあ~! なんか緊張するし、変わってるな、この神社・・・ それが終わってから、無事に頭崎山を下山できたことのお礼と、 残り半日の行程が楽しいものになるように祈願をした。 目を開けて前を見ると、そんなに広くはないものの、 神前は綺麗に飾り付けがされている。 「初めて」というキーワードが宮司さんの胸に引っかかったらしく、 ちょうど他に参拝客もいない時だったので、 「どちらから?」 て話しかけてきてくださった。 「千葉からです。 この辺は初めてなもので・・・。」 てな会話から始まって、頭崎城に登ってきたことや 建築が好きでこれから白市を回ることなどを話した。 1人で今日は平賀氏めぐりをすることを話したら、ここでもえらい感心された。 「あの、縁起とか書いたものがあれば頂きたいんですけど・・・」 ってお願いしたら、宮司さんは奥へ取りに行った。 待ってる間、奥様らしき人が脇から来て 「これ、どうぞ」 って神社のお札を差し出した。 (ええっ!これ、売り物なのに~!! こんなもの、いただけないよ~!!) ←リアリスト ありがたく辞退したけど、最後は負けた(笑)。 せっかく好意で言ってくださってるのに、あまりかたくなに固辞するのもねえ・・・ ハア、こんなものいただいちゃって、どうしよう・・・ 何か買えるものないかな・・・ 神前の脇には、お守りやお札が並べられていた。 ここには破魔矢もあったので、私はこちらを買うことにした。 まだ母親が退院したばかりで、家では初詣に行かれないので、 旅先の神社で破魔矢があれば買おうと思ってたのだ。 でも、昨日の橘神社にはなかったので、ちょうどよかった そうこうしてるうち、宮司さんが戻られて資料をくれた。 お札を私に渡したことを奥様が宮司さんに報告したので、宮司さんにもお礼を言った。 またしばらく話してるうち、さっきからストーブにあたってた男の人が 奥様に何か話したと思ったら、今度は 「これもどうぞ。 気をつけてね~」 と旅守りをくださった。 どうやら、この男の人は息子さんだったらしい。 (こ、こんなにいただけませんってば・・・!!) と心の中で必死に抵抗したものの、1人で遠方を旅してることへの心遣いだし、 これもご縁だと諦めて、息子さんにもお礼を言ってからありがたくいただいた。 それが、こちら↓。 以前、「旅のナイト達」でちょっとだけ紹介したのが この旅守りです。 人から物をもらうのは確かに嬉しいことだけど、 このお札とお守りには、私を気遣っての宮司さんご一家の温かい気持ちがこもっているので、 この2つを見ると今でも社殿の中での出来事が思い出されて、心が温かくなる 1人でいる時だから、余計心に残るんだよね。 しばらく話をした後で、建築が好きなら是非裏の本殿も見ていくといいと 宮司さんが教えてくれたので、それならばと見にいくことにした。 皆様に心からのお礼を言ってから、拝殿を出る。 「気をつけてね~」 と送り出されたので、気持ちの優しい人達なんだろうな~と思った。 外へ出ると、相変わらず風は強いし寒い。 が、親切な宮司さん一家のおかげで心が温まっているので、へっちゃら(笑)。 あ~、思いもかけずものすごく親切にしてもらっちゃったな~。 これは弘保はじめ、平賀の殿様のご加護かも・・・ きっちり頭崎城と白市の町とワシらのことを紹介しとけ~! ほいで、また来いや~! と平賀の殿様に言われてる気がした。 神社の拝殿にはこんな瓦が上がってた↓。 ツノがあるから鬼だと思うんだけど、正面から見ると ヒゲをもしゃもしゃ生やしたお茶目なジイちゃんみたいだ 拝殿は平入りだけど、本殿を見ようと裏に回って拝殿の妻を見上げたら、 ヒゲのジイちゃんは同じだけど、こちらは妻だから懸魚(けぎょ)がある。 綺麗に彫られてるもんだよな~。 で、こちらが本殿↓。 ほう、びっしりとした垂木が美しい。 こちらも小早川も・・・もとい、三つ巴だな。 屋根にも三つ巴。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年04月21日 14時33分07秒
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