Channel Shinzo しんぞうチャンネル

５月３０日の朝刊で、小さな記事を見つけた。

２７日に来日したウルフォウィッツ世界銀行総裁の、日本外国特派員協会でのコメント。

「北朝鮮が中国をモデルにした経済改革に取り組んだ場合、政治体制を大きく変えなく
ても経済成長を達成できるかも知れない。一部の北朝鮮の人たちにとっても、そのよう
な変化の方が好ましいだろう」との見解を示したとある。

あの、ウルフォウィッツがである。

チェイニー米副大統領の秘蔵っ子、超タカ派の元国防副長官として、アフガンやフセイ
ン討伐のイラク戦争を積極的に仕掛けてきたウルフォウィッツがである。

この記事にでてくる”一部の北朝鮮の人たち”が誰のことを指しているのかで、多少ニ
ュアンスが違うかも知れないけど、これまでの日米のタカ派右派が論じていた北朝鮮問
題の姿勢とは大きく異なることだけは確か。

もしこの”一部の北朝鮮の人たち”が金正日政府のことであれば、ほとんど廬武絃大統
領の対北朝鮮太陽政策を認める発言であるし、中国のアジア政策を認めることでもある。

現在、アジアで進行しているいわゆる「日本抜き」の政治情勢を認めることにもなる。
日本の一部の右系の政治家や言論人にとって、後ろ盾と思われている彼から、このよう
なメッセージがでてくると立場がなさそう。

そんなわけで、あまり目立たないように、新聞７面の下の方にひっそりと書かれていた
わけである。

翌日の３０日に韓国入りしたウルフォウィッツ世銀総裁は、３１日、韓国の大韓貿易振
興公社（KOTRA）と、韓国開発研究院が共同開催した朝食会セミナーで、「８５億ドル規
模の世銀調達事業情報をKOTRAと共有する内容の民間連絡官協約」に署名した。

どうも日本のマスコミが情報でいっているような悪関係ではなく、アメリカと中国や韓国
の関係はそんなに悪くは無いようにみえてしようがないなあ。

ただ、間違いなく「北朝鮮危機論」から転換した今回の発言は、こんなべた記事で済む
問題じゃないと思いますよ。素人目にも。