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2006.07.10
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カテゴリ:カテゴリ未分類

毎週日曜日の新聞紙面で、話題の書籍の紹介ページがある。

どちらかといえば、心持ち堅い系の本の紹介が多いようだけど、書店の店頭前置きのベ
ストセラーでもなく、普段店頭であまり目立たない書籍群なので、けっこう発見がある。

先日もいろいろな本の紹介の中から、「日本語の歴史」と、「お茶は世界をかけめぐる」
という本がすごく興味をそそられた次第。

それもどちらかといえば、評論の文章が。

山口仲美著の「日本語の歴史」(岩波新書)は、現在JT生命誌研究館館長の中村桂子
さんが批評文を書いている。「21世紀は生命をスーパーコンセプトに」と、生命科学
やゲノムやなどの理学の分野の活躍が大きい方なんですが、この解説文章がすごい。

なにがすごいかというと、本文の「日本語の歴史」が言わんとしていること以上の解説
がなされているんですね。

もちろん著者の持つ世界を、より新しい角度から光を当てていると云った方が良いのか
も知れませんが、半3段程度の小さなスペースの評論が輝いている。

早速、この原作を書店で見てみたら、新書本の割にかなり難解で、ちょっとギブアップ。

本編は、正当な文学としての「日本語」論だったわけですが、その題材を中村桂子さん
は理系の組み立てで、この「日本語」論を読み証していたんだと気づいた。

その文章の方が、私にはすんなりと入ってきたということ。

内容が同じでも解釈で多種多様な世界が出来上がるってこういうことかも知れない。


高宇政光著の「お茶は世界をかけめぐる」(筑摩書房)は掛け値なしで大変面白い。
こちらは経済学者の伊東光晴氏が批評文を書かれているが、サブタイトルの「なぜ、”
茶”色と呼ぶようになったか」で一発で、魅力の虜に。

普段我々日本人が飲んでいるお茶のイメージは、名のごとし「緑茶」の緑色のはずなん
ですが、「茶色」はいわゆるブラウン色。

中国人やイギリス人がブラウン色を「茶色」と云うのは分かるけど、日本人が「茶色」
と云う時は「みどりいろ」じゃないとおかしい。

とガツンと頭に振動がきた感じ。

本の内容はお茶の製造方法から、お茶の管理、加工、歴史といった切り口から、お茶の
本質に迫っているわけですが、お茶葉の発酵の状態でウーロン茶や紅茶になり、発酵を
させずに作る煎茶に代表されるのが日本茶であるというのは、比較的ご存じの方が多い
と思いますが、この煎茶が1737年の徳川時代に出来たというのは、印象よりかなり
新しいお茶ということで、この本で初めて知った。

ということは、「お茶」という文字と色がセットで日本に渡ってきたのは、相当古い話
と思われるので、その頃のブラウン色の「お茶」が、今いわれている「茶色」になった
んだなと、この歳になってやっと納得させられてしまった。

色には、ある程度詳しいを自負していたデザイナーの立場形無しです。

この2冊の本は、こんな好奇心を増幅させてくれた2名の批評家による福音書でした。





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Last updated  2006.07.10 17:44:23
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匿名。@ Re:福岡デザイン専門学校の卒業制作展のごあんない(02/06) コメントが少ないようだが 都合の悪いコメ…
Kimiko@ Re:デンマーク北欧マンス(10/22) ポスター展行きました。感動しました。 …
春うらら@ Re:1)ダーウィンという概念(02/12) 当たり前になっているダーウインの名だが…
kwhats@ Re:転倒の顛末(12/14) 気をつけてくださいね。 まだまだ長生き…
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