分かるようで分からない日本語
中上級で教える時は、教師も事前準備で「う~ん」って、頭を悩ますことが多々あります。今日はそんなのをいくつか紹介。みなさん、外国人に違いを聞かれたと想像して、考えてみてください!!1:「まみれ」と「だらけ」の違い 「血まみれ・血だらけ」「泥まみれ・泥だらけ」などはどちらも良いけど… 「間違いまみれ」はダメで、「間違いだらけ」は大丈夫。 「傷まみれ」は変だけど、「傷だらけ」は没問題。 「砂に手を突っ込んだら、手が砂まみれになった。」は大丈夫だけど、 「砂場で遊んでいた子供が帰ってきて、部屋が砂まみれになった」は…2:「ついに・結局・とうとう・ようやく・やっと」の違い 「ついに祖父が亡くなってしまった」はいいけど、 「やっと祖父が亡くなった」とか「ようやく祖父が亡くなった」は不謹慎。 「ついに試験に合格した」は良いけど、 「とうとう試験に合格した」は…3:「揺らす」と「揺する」の違い 「体を揺らす」「体を揺する」どちらも同じ!? 4:「再び」と「また」の違い 辞書を調べると、どちらも「もう一度」の意味だけど… 「彼は故郷を出てから、再び帰ることはなかった」は自然なのに、 「彼は故郷を出てから、また帰ることはなかった」は変!?5.「ひとまず」と「とりあえず」 これまた辞書で調べると、どちらも「一応」の意味だけど… 「とりあえず行ってみよう」と「ひとまず行ってみよう」は同じ!?6.「見苦しい・みっともない・醜い」の違い これも辞書では堂々巡りの単語。 「彼の食べ方はみっともない」は良いけど、 「彼の食べ方は見苦しい」は… 「彼の顔は醜い」は良いけど、「彼の顔はみっともない」は… 7.「なんて」「くらい」の違い 「チャーハンなんて誰でも作れる!」 「チャーハンくらい誰でも作れる!」の2つは大丈夫。 でも… 「チャーハンなんて食べたくない!」は良いけど、 「チャーハンくらい食べたくない!」は言わない…などなど…みなさん、いかがでしょうか!?もちろん学生の理解度によって、どこまで教えるかの線引きは違います。ただ混乱を招くだけ、という危険がある場合は、「敢えて教えない」というのも大切なこと。さらに、学生の多くは別に言語学者になるわけではないので、「同じ」という説明でもいいのですが…でも、教師サイドは教える・教えないにかかわらず、違いが分かっていないと、学生に突っ込まれた時に対応できない。感覚で言葉が選べる日本人にとって、日本語能力試験の文法や語彙などは簡単に正答が選べます。でも、「どうして答えは1番で、2番は×なのか!?」という「ダメな理由」を説明するのは、なかなか至難。ついつい「ネイティブ」なら「誰でも先生になれる」と思われがちな、この仕事。でも、現実は日本語教師自身が、日々脳みそに汗をかきながら、日本語を勉強しています。日ごろ当たり前に使っている日本語を、たまには「客観的」に見てみるのも面白いかもしれません。明日からはいよいよ1週間の「国慶節」です!!3~5日は揚州へ!!残りは蘇州で日ごろの疲れを取りたいな、と。人気blogランキング