マルチマウスの発想
今朝の新聞に東京大学大学院の竹内郁雄教授が、マルチマウスを開発しているという記事が載っていた。http://www.tokyo-np.co.jp/00/dgi/20061127/ftu_____dgi_____001.shtml(これは東京新聞の紙面だが、毎日新聞では10月に報じられていたのね)こういうのはマウスができたときから発想があったと思う。後だしジャンケンで恐縮だが、私もナイフとフォークををモチーフにして、左手と右手でマウスを持てば、輪ゴムを伸ばしたり、紐を結んだりするようなことができるので、絵を描いたりするソフトがあるのではないかと思った。20年前にMac SEを買って使ったときに、Macの先進的なソフトに触発されてそう思った。そんなことを身近な人に話したりすることがあったが、あまり関心がないようだった。「1つのマウスがあればそれで十分だ」というのがみんなの答えだったように思う。Macでの開発を探ってAPIを探してみたが、当時のOSでは1つのマウスが前提としてありそこにドライバーソフトを書くことはできても、他のAPIのことを全て考慮しなくてはいけなかったと思う。それが以下のページをみると、いつの間にか複数のマウスを扱えるようになったらしい。http://www.pag1u.net/pc/multi_mouse.htmlいままで入力デバイスのAPIの理解がまずかったのか、それともマルチディスプレイなどが普通に使える環境になって複数の入力デバイスを独立に扱うことができるようになったのか、それともプログラミングテクニックで入力デバイスを切り替えてできるようにしたのかわからない。この新聞のニュースをみると、100個のマウスを使ってマインスイーパーのゲームをするというデモがある。竹内教授はなぜいままで無かったのかと疑問に思っているが、私は既に誰かが特許を取っていると思っていた。それに、こうした具体的なアプリケーションが出てこないと発想が出てこないのかもしれない。時期的にも、この10年でやっとインターネットが現れて家庭内にブロードバンドの常設の環境が整ってきた。やっと人々が具体的にこの複数のマウスを同時に使うかという発想なんだろうと思う。たぶん、マウスを考えたダグラス・エンゲルバートが試みたのではないかと思うが、調べてみるとIBMのミシウラミツルという人が1990年に特許をとっているみたいだ。"System for Controlling Plural Mouse Cursors," Patent No. J02201623,Registered Aug. 9, 1990, by Mitsuru Mishiura, Sect. P., Section No.1123; vol. 14, No. 494, p. 76, Oct. 26, 1990.新しいアイディアって、時期があるねぇ。それに発想だけではだめで、具体的に作ってみる。だから東京大学の大学院生が名前が載って成果になったんだと思う。きっと開発に際して、いろいろな障害があったんだと思うし。私も結果は簡単そうに見えて、実はいろいろな苦労をしてソフトを作っています。結果はシンプルに行きたいので、完成したものを見せると「こんなの簡単じゃない。」といわれることしばしばです。そういう人に限って自分でなかなか作ることができないものです。やはり自分で作ってみて、それを言ってね。誰もやっていないことをやるのは、結構大変なものです。