カテゴリ:青春時代「アメリカンシネマ」
なんともひどい邦題です。
本編を見た人間なら絶対こんな題名はつけない。 ばっかじゃねえの、ユニバーサルかCICかどっちがつけたか知らないけど。 原題の「シュガーランド・エキスプレス」でいいじゃん。 でなければ浅田次郎風に「シュガーランドまで300マイル!」とか。 とにかく怒ってます。 本作品はステイーヴン・スピルバーグの劇場用作品の第一作です。 これの前にTVムービーとして「激突!」という作品を撮って、高い評価を得て、本編製作の運びとなりました。 題名も、それを意識して付けられたものですが、「激突!」とは何の関係もありません。 “激突”すらしていません。 配給側としては、まったく無名に等しいスピルバーグの作品に、何とか適当な針をつけて吊り上げようと、とりあえずこうしたのでしょうが、だったらスピルバーグが認知された段階で邦題を付け直すべきです。 どうせバカ担当社員か、映画を知らない数字しか観てないバカ上司がつけたもんだろうから、直したっていいでしょ。 直すべきです。 僕がこれだけ悔しがるのは、この作品が本当に素晴らしいからです。 スピルバーグ作品で一番好きだし、一番彼の才能が生きています。 デヴュー作がまぐれで傑作になり、後が知りつぼみになってしまう監督も多い中で、スピルバーグはご存知のようにメガヒットと飛ばし続けます。 逆にこのデビュー作はあまり知られていません(「激突!」の方は有名ですが) 原因の一端にこの邦題があることは否めないでしょう。 でも、スピルバーグが無名だったとしても、主演はゴールディ・ホーンなんですよ。 ゴールディにも失礼です。 「サボテンの花」でアカデミー助演女優賞を取った後だから、充分看板に出来たでしょうに。 ゴールディ大好きです。 個人的女性の趣味として大好きです。 ちっちゃくって、目がでっかくって、コケティッシュな女優というか女性が好きです。 ほんと、かわいくってかわいくって、一生大事にします!、って感じ。 僕が世界で一番好きな女優は、フェリーニの奥さんの、ジュリエッタ・マシーナ。 ほんとちっちゃくって、純真でいたいけで、君のためならなんでもしてあげるってば。 純真でいたいけと思うのは「道」のジェルソミーナを見ての印象ですが、本人もきっとそうだよ。 僕のちっちゃいこ好きは、“ジェルソミーナ症候群”なのか。 考えてみると、お付き合いした女性はみんな同じタイプだったなあ… そういえば、安達祐実ちゃんも好きです。 声がもう少し優しく、柔らかければもっといいんだけど。 話逸れまくりでしたが、本編のゴールディ・ホーン演じるルーもかわいくって、ちょっと頭足んなくて、なかなか秀逸です。 裁判所命令で自分の子供を養子に出さなくてはならなくなったルーが、夫を脱獄させ、パトカーを奪取し、警官を人質にし、マスコミも巻き込んで、子供を取り戻すためシュガーランドへ向かいます。 計画性の無いままに。 おバカな話ですが、実話です。 そのデフォルメ加減がおかしいのですが、現実感は損なっていません。 そのサジ加減がみごと。 ひとえに人物表現が巧みであること、一本調子でなく心のひだまで考えている演出が冴えてます。 どたばた喜劇にみえるけど、出汁の深味が良く効いた、いい料理になっています。 友人の黒澤好き仲間のN君が、養子の受け入れ先の家で、ルー達が子供を取り返しにきた時、銃撃戦になるかもしれないので避難するように警官から言われるシーンで、いったん外にでかかった里親が戻って来て“花瓶”を隠すというところの演出にスピルバーグの才能を感じると言いってました。 僕はこのシーンに気づきませんでした。 それであわてて見てみると、確かにあります。 でもほんの一瞬の出来事で、アドリブ?ってぐらいのさらりとした芝居ですが、なるほどその一つの動きで人間性がよく現れています。 スピルバーグも凄いけど、発見したN君も凄い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年10月20日 08時03分39秒
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