カテゴリ:青春時代「アメリカンシネマ」
さて「ローマの休日」
解説はまったくいらないほどの有名作(いつも解説はあまりしてませんが) 53年作なので、僕の範疇では“古典” 世界の恋人オードリー・ヘップバーンのアメリカデビュー作です。 オードリーは男性にも女性にも好かれた女優で、人間的にも尊敬できる素晴らしい人でした。 同時期のスター、マリリン・モンローと比べても、その美しさ可愛らしさは作為的なものでなく、神から与えられたものと言えます。 モンローはかなり作ってるのが見え見えでしょ。 女が男に媚を売る、それはそれで男としては一向に構わないのですが、尊敬できるかどうかは別です。 そんな高貴漂うオードリーにピッタリの役がこのアン王女です。 ところがこの作品は、もともとエリザベス・テーラーとケーリー・グラントのための企画だったのでびっくり。 リズがアン王女ならケーリーは家来の執事としてこき使われることになるだろうな(ケーリーすでに50歳になんなんとするころだから) たぶん凄く同情すると思う。 それが一転、監督のウイリアム・ワイラーがオードリーを発掘して起用することになるわけですけど、幸運でした。 ケーリー・グラントも結局断り、グレゴリー・ペックが起用されます。 これも凄く幸運でした。 あの『真実の口』のシーンは(うそつきが口に手を入れると噛み付かれるという伝説から、グレゴリーが袖を長くして手を食いちぎられた振りをして、アン王女を驚かすという例のところ)、グレゴリーのアドリブだったそうです。 緊張していたオードリーを和ませるために仕組んだもので、あのオードリーの驚いた顔は本物です。 映画は段取りで作るものだから、ああいうシーンは欲しいけどなかなか難しいんですよね。 よくぞやったという感じです。 これですっかりオードリーも溶け込み、快調な撮影になったことはいうまでも無いでしょう。 そして、ラストシーンですが、初めの企画ではアン王女と新聞記者のジョーが結婚することになっていました。 とんでもないことです。 結婚=ハッピーエンドと決め付けることが大間違い。 こんな素敵な想い出は、想い出として大切にしまっておくのが一番いいことです。 時々出しては磨きをかけ、うっとりするのが幸せです。 絶対そうです。 どろどろになるまで踏み込まないのが、宝物を壊さない鉄則。 この二人にどんな運命が訪れても、この想い出はいつまでも輝き続けると思いませんか? 素敵な想い出があれば、それだけで生きてきた価値がある… だから、ひとり去ってゆくグレゴリーに拍手。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年09月08日 09時35分04秒
コメント(0) | コメントを書く
[青春時代「アメリカンシネマ」] カテゴリの最新記事
|
|