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《 幸せのひろいかた 》  フェルトアート・カントリー木工 by WOODYPAPA

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2006年12月04日
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「ダーティハリー」が出れば当然「フレンチ・コネクション」です。

この2作は、同じ71年公開で、同じ“はみだし刑事”の話です(マックイーンの「ブリット」を入れて3大はみだしはちゃめちゃ刑事と呼んでいます)

同じバイオレンス・アクション刑事物でありながら、「ダーティハリー」はB級映画として賞とは無縁でしたが、こちらはアカデミー作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞、撮影賞受賞という輝かしい栄光を手にしました。

どこが違っていたのかというと、“リアル”だったんですね。

もともと、こちらは実話を基にしているので、リアルで当たり前のような所もありますが、それだけではありません。

前回の述べたように、「ダーティハリー」は当初の話を、イーストウッドに合わせて変えていきました。

同じ暴力を振るう刑事でもイーストウッドがかっこよく見えるように作られています。

でも、ジーン・ハックマン演じるポパイ刑事の暴力は、ちょっと眉をしかめたくなるほど本物です。

モデルになった実在の刑事を研究して、近づいてこうなったらしいので、ひどい刑事もいたモンです。

監督のウイリアム・フリードキンは、もともとドキュメンタリー作品を撮っていた監督なので、それはお手の物というか、それが狙いでした。

そういえば後に撮る「エクソシスト(第26回)」も、リアルな作りで恐怖に引きずり込みました。

ジーン・ハックマンはこのコラムでは「俺たちに明日はない(第2回)」「ポセイドン・アドベンチャー(第8回)」「スケアクロウ(第38回)」と登場していますが、全部違うイメージです。

あの顔立ち、体格は特徴的なので、役よりも役者が前に出てきそうなものですが、彼は抑えます。

このほかに「盗聴」や「スーパーマン」などにも出てますが、見事に役になりきっています。

役者は、役をどう演じるかを練るわけですが、それだけではどう練ったところで自分が出てしまいます。

彼の場合、まるで自分をすっかり空っぽにして抜け殻にしてから、“役”を注ぎ込んだかのように成り代わっています。

相棒の刑事のロイ・シャイダーもいい感じに成り代わっています。

「ジョーズ(第51回)」の警察署長とも「オール・ザット・ジャズ(第68回)」のボブ・フォッシーとも違う人物になっています。

逆に、このフリードキン演出によって、ふたりとも開眼したのかなあ。

すべての映画がこの技法をとるべきだとは思いませんが、どんなに絵空事を描いたものでもリアリティは必要なエッセンスだと思います。

開けないタンスに着物を入れる必要は無いとは思うけど、カラの旅行かばんを重そうに持ってたりするとため息が出ちゃうんだよね。

あら探しをする気はなくても、ひとつ気になると次々気になって、引きずっちゃいます。

それを途中で忘れさせる程の見せ場があれば許せるんだろうけど、ほとんどありえないですね。

見せ場が用意されてても、その前に見たくなくなっちゃいますから。

だいたい初めの20分を見てつまらなかったら、間違いなく最後までつまらないです。

シナリオの基本に『初めの20分で説明をすべて済ませろ』、というのがあります。

20分で面白そうでなかったら、面白くなる可能性が無い、20分で掴めなかったら“駄作”という厳しい掟です。

だから、20分であらに目が行き勝ちになってしまう作品に、未来はありません。

面白さとは、まず現実の尺度を感じさせて、そこからの距離感で楽しませるものだから、基本の立ち居地がいい加減だと楽しめないのです。

「フレンチ・コネクション」の一番の見せ場は、高架線の列車を交通渋滞の中猛スピードで追いかけるカーチェイスです。

こんな非現実的なシーンを本物に見せるには、リアルの積み重ねによって、観るものの信頼を勝ち得て初めて成り立つのものなのです。

今、突然思い出したので話変わりますが、昔、居酒屋で修行していた時、TVのドキュメンタリーを撮っているお客さんがいました。

その人いわく「この世に“ドキュメンタリー”などない! すべては“ドキュメンタリータッチ”なのだ」だそうです。

どうしてるかなあ、あの酔っ払い、奥さんお腹大きかったよなあ。













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最終更新日  2006年12月04日 19時12分07秒
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