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《 幸せのひろいかた 》  フェルトアート・カントリー木工 by WOODYPAPA

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2006年12月10日
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「スターウォーズ」「インデイ・ジョーンズ」と、シリーズ物でビッグに成り上がったハリソン・フォードが、この二つのキャラクター以外での成功を賭けて挑戦した作品。

アメリカの俳優のトップギャランティのグループにいる彼ですが、意外なことに賞とは無縁で、アカデミー主演男優賞にノミネートされたのもこの一本だけ(受賞は逃しています)

何故かは解りますけど。

ストーリーは、殺人現場を目撃してしまった少年を、ハリソン・フォード演じるジョン・ブック刑事が守るという、「グロリア」のような展開になるのですが、題名が中途半端なら内容も中途半端。

物語の興味は徐々に“アーミッシュ”という、特殊な宗教集団の生活様式に注がれることになります。

特殊な宗教集団というと、“オウム真理教”や白装束集団の“パナウェーブ研究所”を思い描きがちですが、こちらは17世紀から続く由緒あるキリスト教集団です。

ただ、近代文明を拒否するという教義で、自給自足生活で暮らしており、17世紀から時が止まっているかのような生活を続けています。

やっぱり奇妙に見えます。

アメリカだとさすが自由個人主義の国、その存在自体は法的に認められていますが(投票や徴兵などの権利や義務も拒否しています)、日本なら絶対いじめにあっていると思います。

暴力を一切否定する彼らは、時に心無い人たちになぶりものになったりします。

しかし、それを全部受け入れます。

映画でもそんな場面があり、ハリソン・フォードは普通の存在なので反撃しますが、アーミッシュの人たちは一切手を出しません。

『右頬を打たれたら左頬をだせ』を実践します。

本来のキリスト教を追求すると、こういう形になるのではないかと実感します。

現在のブッシュ政権が行っている“復讐主義”は、キリスト教に反するように見えるのですが、“キリスト教”と“キリスト教徒”は別のものなんでしょうね、きっと。

今年もいろいろな事件がありましたが、僕が衝撃をうけた世界の出来事の中に、アーミッシュがらみの事件がありました。

アーミッシュの小学校に、ショットガンを持った男が押し入り、女子だけを数珠繋ぎに縛り上げ、3人を射殺、8人に重症を追わせたと言う事件です。

犯人は、犯行後その場で自殺してしまったので、『20年前の恨みを晴らす』という意味不明な声明以外、動機は謎になってしまいました。

教室には先生や男子生徒もいたのでしょうが、たぶん彼らはまったく抵抗せずにこの凶行を受け入れたと思われます。

初めに殺された女子は『撃つなら私から撃ちなさい』と申し出たそうなので、彼女たちを支えるものの力に壮絶なものを感じます。

でも、僕が真に衝撃を受けたのはこの事件自体ではありません。

嫌な出来事ではありますが、アメリカでの学校の銃乱射殺人事件などはままあることで、日常茶飯事の類なのです。

アメリカの学校が、みんなスクールバスで通うのはセキュリテイーのためで、裕福だからではありません。

僕が本当にぞっとしたのは、殺された子どもの家族が、犯人の両親をその葬儀に招いた時の出来事です。

日本だと、たぶんそんな時、犯人側の出席は拒否されるだろうし、来たとしても土下座してお詫びしないとすまないシチュエーションです。

頭を擦り付けて詫びても、周囲から怒号を浴びせられて、それでも許してもらえないと言うことになるでしょう。

親と子は別だとする個人主義のアメリカとはいえ、犯人の親も良くそんなところへ行く勇気があったなあと思ったのですが、なんと、被害者の親はその犯人の親を、抱擁して迎えたというではありませんか。

たぶん、犯人自身が来たとしても彼らは抱擁したでしょう。

凄いことです。

体が震えました。

今年も子どもが殺される事件が多発し、被害者の親には、容赦ないマスコミのマイクが突きつけられます。

もし、自分がその立場になったらなんと答えるだろうかと、しばし考え込んでしまいます。

『犯人に対して、どう思いますか?』という、まったく配慮の無い問いは答えを誘導しています。

被害者の親は、復讐心に満たされてなければなりません。

『殺してやりたい』とか『同じ思いをさせてやりたい』とか言わなくてはならない雰囲気です。

でも、実際にその立場になったら、心は空白になって何も感情は湧かないんじゃないかと思います。

なのにやっぱり、番組つくりに協力するように振舞っちゃうのかなあ。

などと考えつつTVを見ていますが、まさか、犯人を抱擁するとは…

自分がどういう教えに基づいて育てられたかによって、心の置き所が変わってくるのでしょうが、アーミッシュの人たちの心の強さは想像以上です。

僕の場合だったら、現実を正視したくないがために犯人を意識的に除外することはあっても、本気で許すのは難しい。

まして祝福などありえない。

9.11で1万5千人殺されたアメリカ人が、更に1万5千人の犠牲を出して、5万人を殺した(しかも9.11とは関係ないイラク人を)ってこととは大違いだ。

時々僕が批判してしまうキリスト教徒はこちらの人種のことで、アーミッシュの人たちのように、真にイエスの教えを守ろうとする人たちとは別です。

ブッシュは史上最低の大統領として名を残すでしょうが、ブッシュの後ろで二人羽織を演じさせていた黒幕が、何かもっと怖ろしいことを考えているような気がするのですが。

騙されてないかい?アメリカ人…

この映画を観て、初めてアーミッシュを知った20代の時は、進歩を拒否する彼らが“奇異”だと思っていたけど、今は彼らの勇気を“崇高”に思います。














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最終更新日  2006年12月10日 18時39分21秒
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