カテゴリ:青春時代「アメリカンシネマ」
ダメな奴が、一念発起、がんばって勝利するシリーズ、弁護士編。
弁護士役はポール・ニューマン。 落ちぶれたダメ弁護士が、病院の医療ミスで植物人間になってしまった女性の家族からの依頼で、訴訟を起こします。 植物人間になってしまった被害者に接し、ふつふつと正義感が甦り、勝ち目の薄い戦いに立ち向かいます。 監督は社会派の巨匠、シドニー・ルメット。 「十二人の怒れる男」「セルピコ(第39回)」「狼たちの午後(第40回)」と、かなり骨太な作品を残している監督です。 僕は、アメリカの裁判劇が大好きで、TVの「七人の弁護士(L.A.LOW)」「プラクティス」「アニー・マイ・ラブ」なんかも大好きでよく見ます。 驚いてしまうのは、CNNなどで、本物の裁判の模様が出ると、ドラマそっくりなんですね。 O.J.シンプソンの事件や、ジョンベネちゃん事件などは、ドラマよりドラマチックでした。 アメリカ人の好きなところ、嫌いなところが凝縮されていて、傍で見ている分にはほんとに面白い。 最後は、哲学的な重みを残す展開になることもしばしばです。 人は、“神の元に、平等に迷っている”、という感じ。 学生の時、法学の授業で「裁判とは、裁判官が、検察側と弁護側の両方の言い分を聞いて、どちらの言い分に分があるかを判断する所」という定義を聞き、ちょっとショックでした。 “正義”とか“真実”とかを追求するものではないそうです。 それじゃあゲームじゃないか、と思いましたが、実際そのようです。 日本では、一審と二審がひっくり返って、憤ったりしてますが、ゲームだから勝ったり負けたりして当たり前です。 いい選手を抱えている方が有利というところも同じ。 「評決」の対戦相手の弁護士は、ジェームズ・メイソン。 いかにも凄腕のやりて弁護士然としています。 ジェームズ・メイソンは「天国から来たチャンピオン(第89回)」のベテラン天使役でも、聡明で冷静な役柄にフィットしていました。 その強敵に、ダメ弁護士が挑みます。 ロッキー同様、前半はダメぶりの連続で追い込まれますが、不屈の根性で逆転の望みを託します。 昨日、『行列のできる法律相談所』を見ていたら、北村弁護士の忘れられない事件を再現していました。 それが偶然、「評決」と同じシチュエーションだったのです。 医者のミスで植物人間になってしまった被害者の家族のために戦います。 北村弁護士は呑んだくれのダメ弁護士ではなかったでしょうが、大病院相手の訴訟はやはり勝ち目の限りなく薄いものでした。 こういう事例に触れると、弁護士っていいなあと思います。 弱者の力になってあげる、ってところがうらやましいです。 実際にはそういう弁護士は少ないってことは解ります。 弱者はたいがい貧乏ですから。 弁護士だって職業ですから、報酬なくして働くわけには行きません。 それが仕事のルールです。 無償で人のために尽くすのが最善ですが、有償でも人のためになる機会が持てるなら幸せです。 話がこんがらがってしまいましたが、誰かのために戦えるって幸せです。 でもそれは、勝った場合に言えること。 負けたら人助けにならないですもんね。 そこは難しい所です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年01月15日 22時09分46秒
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