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2009/10/25
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カテゴリ:みもの
高校の頃は太宰が好きでした。
でも作品の雰囲気しか覚えてないかも…

「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ」
太宰治の雰囲気をまとった映画だと思いました。

作家の大谷は死にたがりや。
ある意味絶望先生だね。
どうしようもない男だけど何故か女にモテて
書くものも(工員が涙を流すほど)人気がある。
頭では理解できても、実際こんなのが夫だったら
ぶっとばしてると思うよ。

妻サチ役の松たか子の生活感のある顔がいいです。
前向きで明るいというよりは開き直ったどうしようもなさ。
太宰の描いた、たるい感じの明るさを持っています。
尽くしているし生活も守っているけど、
臆病でだらしない夫にひきづられている。

本来、まっすぐで美しく人から好かれる妻が、
彼の作品の糧になっている。

愛人役の広末涼子も良い。
頭の中だけで生きたり死んだりする。生活感のなさがいい。
特に水上警察署でサチとすれ違うときの
何ともいえず勝ち誇った表情がいいです。
そういえば広末さんはモントリオール連続だね。

リアルな映画なら人物についていけないけど、
サチや大谷の口調が文章のようなので、作品を読んでいる感じ。
最後の場面をみて舞台にもなるなと思いました。
子供より親が大事。

今度本を読み直そう。


ところで、この映画は久しぶりに
シャンテで見たのですが、お客さんの質が落ちてた。
エンドロールが始まるとみんな立つし。
映画好きの映画館だったのに。残念。






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最終更新日  2009/10/25 05:54:11 PM
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