「ツーリスト」感想
ジョニー・デップ×アンジェリーナ・ジョリーの二大ハリウッドスター競演で話題となった本作は、ある平凡な男が、旅行先で出逢った謎の美女により、思いもよらない事態に巻き込まれるサスペンスムービー。 超がつくセレブしか入れないような高級レストランで、レトルトの白粥を食わされた気分。豪華で派手なのは外見だけで、中身はほとんど無味無臭。本作を観終わった率直な感想は、だいたいそんな感じ。 まあ要するに、ビックリするぐらいつまらなかった。 雑でセンスの一欠けらもない脚本と展開、中途半端に出てきて中途半端に暴れるマフィア、ユルユル捜査全開のお馬鹿スコットランドヤードと、どれをとっても失笑モノ。 肝心の主演二人に関しても、一般人の役がまったく似合わないジョニーに、「謎の美女」とかいい加減見飽きたギミックをリサイクル使用のアンジーと、こちらも名前に見合うだけの仕事とは到底思えず。 特にジョニー演じる旅行者が、イタリア人相手にひたすらスペイン語で話し続けるというギャグは、一つも面白くないうえに緊張感をぶち壊し、ために一番の見所にして文字通りのクライマックスである、最後の大ドンデン返しが充分な効果を発揮しないばかりか、観る人によっては「なんじゃそら」的なガッカリ落ちにも取られかねない、残念無念の結果をもたらす要因にもなっている。 そもそもアレを、会場に来ていた何人が理解していたのか、甚だ疑問。「グラーシアス」(「ありがとう」の意)と言われた警官が「デ・ナーダ」と返しても、何が面白いのかさっぱり分からないか、ジョークとさえ気がつかない人の方が圧倒的に多いと推測する。 まして、「ボンジョルノ」を「ボン・ジョビ」と言い間違えるとか…。今日日そんなサムいセリフ、斉藤智裕の小説にだって書いてない。(ちなみに、「デ・ナーダ」は「どういたしまして」、「ポル・ファボール」は「お願いします」の意。豆知識な) それにしても最近のジョニーは、おかしなメイクしてたり、おかしな髭生やしてたりと、変な格好している(させられている?)事が多かったせいか、普通のキャラを演じると凄く違和感を感じてしまう。 このパターン、どっかで観た事あるなーと思ったら、「パブリック・エネミーズ」の時と同じ感覚だ。いい俳優とは思うのだが、慣れとは恐ろしい…。 アンジーも、せっかく「チェンジリング」や「マイティ・ハート」で演技派女優の地位を手に入れたにも関わらず、わざわざこんな役に戻ってくるのか理解に苦しむ。 今まで散々「トゥームレイダー」だの「ウォンテッド」だので、タフでクールな女性を演じてきたのだから、そんなのは前の「ソルト」で一旦卒業してもよかったのでは? 仕事だからしょうがないとしても、正直、今回の彼女の役には何の魅力も感じなかった。 おそらく、否、明らかにジョニーとアンジーの競演を念頭に置いて作られたに違いないが、それにしたってこの中身のなさは一体どうした事か。ハリウッドスターが二人も出てりゃ、内容なんざ少々適当でもOKだとでも思ったのだろうか。 まさかそんなはずはないにせよ、この程度の出来なら、日本の2時間ドラマで充分。主演は船越英一郎と片平なぎさ、舞台もイタリア・ベニスではなく箱根か北海道、もしくは九州行きの寝台特急辺りにすれば、おおよそ本作制作に注ぎ込まれた予算の100分の一ぐらいで、もう少しマシなモノが出来る気がする。 はっきり言うと、昔あった「ビッグワンガム」みたいな映画。映画と銘打ってはあるものの、完全に二人の競演だけがセールスポイントで、それ以外の部分はオマケ。 なので二人の熱烈なファン以外の人は、大人しくDVDが出るのを待ちましょう。ユルい展開に、ビールがすすむ事ウケアイです(笑)。 そんなわけで、小生の、この映画に対する評価は…、 ☆☆★★★-- 星2つマイナス2つ!! はい、「アンジェリーナ」といえばお約束のコレ(笑)。Bungee Price Blu-ray 洋画パブリック・エネミーズ 【BLU-RAY DISC】Bungee Price Blu-ray 洋画チェンジリング ブルーレイ & DVDセット 【BLU-RAY DISC】ハッピー・ザ・ベスト!: : マイティ・ハート / 愛と絆 スペシャル・コレクターズ・エディション 【DVD】【送料無料】すぐに役立つスペイン語の基本単語集【送料無料】齋藤智裕「KAGEROU」を読み解く よろしければ、ポチッとお願いします。にほんブログ村