「杉の花粉」の独断と偏見に満ちた愛読書紹介コーナー

　今朝６時に眼覚めた時、全く動けません。

　お茶を飲んで、
　薬を飲んで、
　朝食を食べて・・・。
　ベッドに座り込んだまま全く何も出来ません。

　お茶を飲んで、
　髭を剃って、
　朝食を食べて、
　薬を飲んで、
　何とか最低限度の朝の用意が整います。

　時計は後１５分で出発しないと間に合わないことを知らせてくれます。

　今日はここまでが精一杯でした。
　再びベッドに引っ繰り返ります。

　「うつ」が現実感を持って迫ってきます。
　昨日、ズッと眠り続けて何も出来なかったことを思い出します。
　「うつ」が再発したようです。
　正しく「うつ症状」であるという確信があります。

　８時１５分を待って職場に連絡を入れます。
　「抗生物質に身体が負けてしまったようで、ふら付いて動けません。」

　「アレッ」？
　「口」が「頭」と違う事を言っている！？

　「そんな状況なら医院に連絡して診断書を取ったらどうか？」
　上司が少ない休暇日数を気にして心配してくれます。

　「今、非常に疲れていますので後日連絡して対応します。」
　「取り敢えず、休暇をお願いします。」
　とお願いして受話器を置きます。

　それまで「うつ」一色だった『頭の中』が一瞬にして変わってしまいます。

　「『肺炎用の抗生物質』を飲んで、１週間の間は『抗生物質』が効き続ける。」
　「腸内細菌も軒並みヤラレテしまっているので、食べると下痢をするし、食欲がない。」

　「『うつ』なんかじゃない。」

　『頭の中』から『うつ』と言う考えが完全に消えてしまいます。
　ベッドに引っ繰り返って、何も考えずに眠ってしまいます。

　午後４時前に「猫神」が部屋に顔を出し一緒にお弁当を食べ始めます。
　少し身体が回復し始めます。

　今日は全く動けないと思っていました。
　内科医に行って診断書を貰います。

　非常に鬱陶しかった『髪の毛』を散髪して帰宅します。
　酷くだるく、少し熱がある状況です。

　些細なことで「猫神」と喧嘩していまいます。
　しばらく部屋で休みます。

　酷くだるく、熱っぽい状況に変わりはありませんが、パソコンを立ち上げるくらいの元気が生まれます。

　今日も一緒にベッドで眠っていた我が部屋猫〈かふん〉も部屋に戻ってきて横で丸まって眠り始めました。

　「『うつ』は『虚構の病気』である。」
　主治医の言葉が現実味を帯びます。

　「うつ」と思えば「うつ」である。
　「うつ」と思わなければ「うつ」でない。

　不思議な気もしますが現実です。
　『脳髄』の作用の不可思議さを垣間見る思いです。

　『うつ』は『現（うつつ）』か『幻（まぼろし）』か？
　今日もその迷宮に迷い込んでしまいそうになりました。