「杉の花粉」の独断と偏見に満ちた愛読書紹介コーナー

寂光・・・「優秀」な人が上に立つ・・と。

　新設の私の高校には。
　地方の「歴史研究家」だったので。
　「自分の研究旅行」のために、
　授業を放り出して、急に２週間くらい居なくなる現代国語の先生。

　消し忘れた黒板を見て。
　『古文』の夏休みの宿題が、「『百人一首』を暗記すること」って知ったら、
　勝手に英訳して、「上の句」と「下の句」に分け
　「正しいものを線で結びなさい」なんて夏休み明けのテストを作った英語の先生。

　平均点が３０点にも満たない試験問題を作って。
　４０点以下の全員に、
　「点数」と「名前」を大声で言いながら答案用紙を返した数学の先生。
　「修学旅行中にやっておけ！」って宿題を出した方だった。

　大地主の息子で。
　自宅の庭の池で飼ってる「錦鯉（にしきこい）」を付け狙う「猫」に。
　散弾銃をブッ放した地学の先生。

　なんてのが・・犇（ひし）めき合ってた。
　でも。
　先生はおろか生徒さえ。
　ダレも気にしなかった。
　と言うか。
　「○○ちゃんなら、仕方ないか。」
　って・・生徒の方が「達観（たっかん）」してた。

　まあ。
　「勉強なんて自分でするもの。」
　「ワザワザ学校で教えてもらう程のことじゃない。」
　なんて、考えてた訳である・・生徒は。
　・・先生達も、そう思ってたよーだし。

　だから。
　学期末テストが終わると。
　授業編成なんて全くデタラメ。

　教室の入り口でキョロキョロして。
　ダレも居ないと勝手に入ってくる。
　そーして。
　自分が担当する答案用紙を返して。
　「何か質問はっ？えっ。ない。それじゃ。」
　って勝手に・・即座に帰ってく・・先生。
　うちの高校では学期末に授業なんてなかった。

　「とーきょうだいがく」なんて旧帝国大学に入った生徒なんて。
　高校時代から物理の原書の英文を読んでたし、
　授業で判んないことがあると先生が聞いたりしてたし、
　学校祭で・・「青虫」を天麩羅（てんぷら）にして・・た。
　ホントに良く判んないガッコだった。

　それが。
　私が３年生になる頃から。
　流石に教育委員会も「何か考える処があった」んだろう。
　大幅に「先生の入れ替え」が行われていく。

　学期末に授業なんてする『優秀』な先生が多くなった。
　そーして。
　国立大学への進学率は。
　見事に・・「激減していく」ことになる。
　前年の卒業生は「県内トップ」だったのに。

　私の大学から。
　「まつしたでんさん」なんて「ゆーめい企業」に進んだ「優秀」な学生は。
　「成績優秀者」か「ゼミの教授推薦」である。

　学部の卒業生主席は。
　「こんな馬鹿な大学に残れるかっ！」
　って・・余所の大学院に進み、研究者になった。

　学生時代に２００人以上ナンパした先輩は。
　「その腕」を見込まれて、
　生命保険会社・・へ。
　空手部の精鋭は。
　「その身体」を見込まれて。
　旅行会社・・へ。

　そーして。
　「何の取柄もない」私なんてのが。
　コームインになる。

　まあ。
　「適材適所」って気もするが。

　だから。
　一流のコーコー出て、
　一流のガッコ入って、
　一流企業に就職する。
　なんて人を・・私は知らないが。

　私の周りのレベルでは。
　ホントに力が有るなら、
　一流企業なんて拘らない。
　自分自身の力で、ドーニでも生きていけるのだもの。

　今の社会の上層部は。
　旧帝国大学を卒業したり、
　「早慶」なんてトコを出た「優秀」な方が占めてるんだろう。
　そーして。
　教師は国立大学教育学部なんて良く判らない処を出て、
　「教師である親が退職するのを条件」に、教諭に採用される「優秀」な方なんだろう。

　平時は・・それで良い。
　単に「富を継承して維持する」のに「ヤンチャ坊主」は迷惑だ。
　でも。
　資源がない上に、「新興国の技術力が加速度的にアップ」している現在では。
　そんな「優秀」な方ばかりになって。
　国や企業の成長が止まってしまい、
　公立のガッコが崩壊してしまった。

　そーして。
　そんな「優秀」な方は。
　決して「有能な後継者」を育てないし、
　決して「自分の既得権」を手放そうとしない。

　だって。
　「自分に力がない」
　「既得権を一度手放したら、ダレも振り向いてすらくんない」
　って・・自分自身が一番良く判っているのだから。

　今の社会で「優秀」な方へ。
　社会にメーワクなので、トットと引退してください。
　「私が居ないと・・」なんて考えてる貴方。
　大きな「勘違い」です。
　貴方が居ない方が、社会は良くなります。
　・・・間違いなく。

　私は。
　「うつ」で、社会的弱者なんだろーが。

　そろそろ脱皮しようぜ。
　平均的な「優秀者」が治める居心地の悪い「農村共同体」から
　「強者弱者」・「格差」がハッキリした「狩猟社会」へ・・と。
　なんて・・考えているのだ。