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テーマ:お勧めの本(7242)
カテゴリ:この本がお勧め!
既報ではありますが北杜夫さんが亡くなりました。 本日の日経新聞は1面の春秋欄、そして最終面の随筆欄で加賀乙彦が北杜夫さんとの思い出話を書いています。 躁うつ病ネタ、テーマ再利用のエッセイ、一部の小説など、かなり雑な代物もありました。 しかし自分にとって北杜夫さんは、特に10代の一時期にその作品を読み耽った作家であることは間違いありません。 最近、何で自分はドイツ語をやり始めたんだっけ、と言うことを記事にしました。 子供の頃、魔笛の夜の女王のアリアを初めて聴いたときの衝撃、とか カルピス劇場のハイジに出てきたスイスから南ドイツあたりの描写、とかをきっかけとして挙げました。 そして何より、ヨゼフ・ラダの「きつねものがたり」の読んだこと、とか。 しかし今回の北杜夫さんの訃報について大学時代の先輩から来たメールを読んで、もうひとつの重要なきっかけを思い出すことが出来ました。 「どくどるマンボウ青春記」です。 手元に本がないのですが、最初の方のページに Nur wer die Sehnsucht kennt Wei?, was ich leide! というゲーテの一節が引用されておりました(上のアフェリエイト画像の表紙にもフレーズの一部が書かれていますね)。 文法的な構造を理解するレベルでもないのに(、、、ハア、今もですよ)、この本を初めて読んだ時に暗記して、今もまだ覚えています。 怠け者の自分にとっては、旧制高校も旧・帝大医学部もまったく縁のない世界です。 しかし、旧制高等学校乙類の空気に満ち満ちた「どくどるマンボウ青春記」もまた、自分に重要な影響を与えた本であると言えます。 蛇足ながら北杜夫さんの作品を3つ挙げるなら順不同で「どくどるマンボウ青春記」「楡家の人びと」「幽霊」ではないでしょうか。 「どくどるマンボウ航海記」や「夜と霧の隅で」も重要ですが、自分の押し(?)は上記3作品であります。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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