テーマ:今日のワイン(6013)
カテゴリ:ブルゴーニュ 白
じめ~じめ~、むしむし・・・別に、気象庁にいちいち宣言されなくても、完璧梅雨入り。 そんな時、ブルゴーニュのシャルドネルを飲むのは、どんなものか。そして、ルフレーヴ。果たして、凶と出るか、吉と出るか・・・ ルフレーヴのブルゴーニュ(ブラン)、今まで三度飲んでいる。 一度目は、2003/2/9。ヴィンテージは、1999。 初めて飲む、ルフレーヴ。この時のすばらしい印象は忘れていない。以前、ブルゴーニュ オー・コート・ド・ニュイ クロ・サン・フィリベール・モノポール 1998 ドメーヌ・メオ・カミュゼに書いたルフレーヴの印象はその時のもの。とにかく、きらきらしい味覚のハープが、口と鼻のなかで、かき鳴らされてる感じ。一音一音は繊細かつ微妙。それら限りない音階の妙なる調和。その素晴らしさは、シャルドネの原点O、あるいは、シャルドネの輝ける臍(ブルゴーニュという広域名であるから、村の個性や畑の個性が出ていない分、やっぱり原点O。とはいえ、この輝きや繊細さは、やっぱり、ピュリニー譲り)。とにかく、ルフレーヴのイメージを決定づけた一本だった。 二度目は、2004/1/25。ヴィンテージは、1998。(このHPには、未掲載) 一本目の煌めきと繊細さを期待して、コルクを抜く・・・・が、そこに現れたのは、まったく、対照的なブルゴーニュ・ブラン。とにかく寡黙。気むずかしげで、重々しく、とりつくしまもない。そして、わずかな果実味、わずかなバター、わずかな柑橘類の酸味・・・とにかく、感じられるのは、わずかな云々。非の打ち所のないバランスと球体ではあるけど、一本目の外向的できらきらしい印象からすると、かなり期待はずれ。が、ある意味、これは、熟成したブルゴーニュのシャルドネのお手本のような姿。と、わかっていても、好みではない。が、おいしいことには変わりない。し、さらに、あのスリリングな感じ。99年にも感じたが、ルフレーヴのブランの完成度は、たとえば、98%。決定されていないあとの2%が、不安定さと言うよりは、スリリングさをワインに添える。 三度目は、2004/8/14。ヴィンテージは、2002。(このHPには、未掲載) この時は・・・まるで、キツネにつままれた感じ。98、99に感じられた気品というようなものがないわけではないが、それよりも、どことなくワイルドで、粗野で、動物的。果実味も異様に肥大した感じがし、やわらかい。98、99は、どことなく「襟を正す」というようなある種きっちりした端正さが感じられたが、これは、ぎらぎらと照りつける太陽にすべてが飲み尽くされた感じ。ワイルドさ、粗野さ、動物的な感じ、肥大した果実味、柔らかさ、それらのどれもが、良好すぎる(?)日射しを連想させる。どことなく、チリ(?)。肥大した果実味には、たしかにあの煌めきがあるのだが、だが、豊満で肉感的。98、99の端正さは、見られない。まるで、方向性の違うワイン、とまで思えるほどだった。煌めきというより、むしろ、ぎらぎらしさ、とでも言うか。脂ぎってはいないが、肉感的なぎらぎらした感じだ。 さて、今回、四度目。 2004/8/14と同じ、2002。 ワイルドさ、粗野さ、動物的なかんじ、肉感的なぎらぎらしさは、すっかり消えていた。つまり、過剰なものはすべて、歳月が洗い流してくれていた。残っていたのは、柔らかさ。どこか、霧が立ちこめているようなぼんやりした柔らかさ。その霧の向こうに、煌めきが包み込まれている。だが、この柔らかさは、もろさに通じている気がする。あのきっちり端正さは、まるでかぎ取れない。骨格がない、どこかアメーバじみた柔らかさだ。骨格どころか、くっきりとした輪郭のない、あるいは、輪郭がももけた(ぼやけた)柔らかさ。酸味もしっかりしていない。なし崩し的に消えてしまいそうな、ぼやけた酸味。 ただ、蒸し暑くじめじめした湿度の高い空気には、このやわらかい輪郭は、何の抵抗もなくとけ込んでいった。いまの気候にとても親和性があるワインだと素直に感じられる。これが、きっちりした輪郭のある、硬くて重い、シャルドネだったら? かえって蒸し暑さを助長し、とてもじゃないけど、こんなにおいしく飲むことはできないだろう。 一口、また一口飲むごとに、口の中から鼻腔、肺はおろか、こころまでもやわらかく爽やかに晴れ渡っていく。(2005/6/11) メモ)それにしても、梅雨時にむけて、このルフレーヴをリリースする「みちのく岩手のワイン屋竹澤」さんのセンスの良さ(ですよね。「たまたま」なんて、謙遜しないでくださいね^^)。 ☆★ ワイン リスト ☆★トップ へ ☆★ 2005 ☆★ ワインリストへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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