テーマ:★お菓子★(2734)
カテゴリ:おたべやす 京都 和菓子編
雨上がり もち 亀屋良長
黄、ブルー、ピンクのぼかしで、虹が出た雨上がりの余情をあらわす。 色あいの淡いところが、また、はかない虹をあらわしているようで、上品。 割ってみると・・・ 実は、白小豆餡の種餡に色がつけてあり、その色が半透明のもちを透かしていたというわけ。 意外で、楽しい、仕掛け(?)。 口に含むと、しっとりとした餅、しとやかな餡、感じるのは、やはり、水。 皮と餡、それぞれの目に見えない細かい隙間にしっとりと清水が染みわたっている、といった風情。 水がもっている、そして、雨上がりの、すがすがしさが口いっぱいに広がる。 以前食べた水牡丹(こなし)やあじさい(きんとん)に感じた水を、餅でも表現しているのは面白い。 銘との響きあいもいい。 それにしても、この甘さ加減。控えめ、というより、水のもっているすがすがしさやみずみずしさを引き立たせるための隠し味のよう。 普通「水加減」は餡をつくるうえでのカンどころのひとつなのだが、この亀屋良長の場合は、まるで逆の印象を受ける。「良い水」、「よく磨かれた水」、そういう水が持つ「すがすがしさ・みずみずしさ」を表現するために、周到な心配りのもとに餡が用いられていて、それはまさに、「餡加減」とでも言いたくなるようなものだ。そして、餡ばかりではなく、他の素材についてもおなじ印象を受ける。 洛中三名水といわれる醒ヶ井の水によって代々磨かれてきたに違いない繊細で洗練された味覚や感性に自然と思いが至る。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/05/27 08:20:55 PM
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