|
全て
| 生活創造
| 詩と随想
| 日々徒然
| 量子論と精神世界
| トランスパーソナル
| ホリスティック
| エコロジー
| 癒し
| イベント関連
| FM-KITAQ
| スピリチュアル
カテゴリ:詩と随想
【ばら蒔かれた記憶 桜】
桜の記憶は幾つもあるが それはそれぞれの年代と土地に ばら蒔かれている。 平戸の入り江で いまにも海に落ちそうな満開の桜が水面に写り 二重に揺れている姿 秋月の城跡で あたり一面に散ってゆく桜に溺れた日 数百年の昔からそこにあるという 阿蘇一心行の桜のもと どれも昔から 変わらぬ色を染め抜いている。 ![]() なかでもひと際鮮明に染められているものは 満開の桜の下で交わした言葉。 「わたし・・・遠くに行きます・・・」 大学の後輩で 1年近く一緒にいたひとだった。 精神が不安定で 目を離すとすぐ何処かに行ってしまい 血だらけの手首を懐に 倒れていた こともあった。 全ての刃物を処分し いつも側に付き添った。 暗闇が怖い という。 明日が嫌い という。 過ぎた想いに縛られ いまが流れていないひと。 うつろな目は時折宙を舞い 実体は何処か違うところにあるような気がしていた。 「・・・・・・」 私は 何かを言ったはずだが 記憶の中からは消えていた・・・ 数週間後 彼女は嫁いでいった。 ![]() ![]() 満開の桜の樹の下では 幻影を見るという。 さながら 「桜の樹の下には屍体が埋まっている(梶井基次郎)」かのように。 ばら蒔かれた記憶は 満開の桜の花のなかに 消え入ってしまったのかもしれない。 ※写真は、Sotheiより。 <ブログランキング> ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009年03月27日 08時16分28秒
コメント(0) | コメントを書く
[詩と随想] カテゴリの最新記事
|
|