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第18回ショパン国際ピアノコンクールが本日(日本時間10月19日未明)からファイナルを迎えます。
ピティナ 第18回ショパン国際ピアノコンクール特集 https://note.com/ptna_chopin ショパンコンクールとは? (ショピニストへの道)http://www10.plala.or.jp/frederic3/competition/chopin_competition.html 今年は本大会に進んだ日本人ピアニストが14名、しかも背景がバラエティに富んでいたことから、日本からの注目度が高い大会になってますね。NHKがアニメ「ピアノの森(July 8, 2018)」を放送したり、恩田陸 著「蜜蜂と遠雷(April 19, 2017)」の原作、映画ともに話題となったこともあって、NHKなどは解説番組をたくさん組んでいました。私もラファウ・ブレハッチの追いかけをするようになってから初めてのショパンコンクールで、わくわくしながらYouTubeにアップされる動画を見ています。 日本人参加者は第2ステージにも8名、第3ステージにも5名が残り、最終的にファイナルには反田恭平さん、小林愛美さんの2名が出場されることになりました。 あまりの日本人の多さ(嬉)で日本人参加者だけでも全ての演奏を聴くことができず残念ではあるのですが、2次予選から話題性のある方の演奏をちょっとずつ聴き始めて、今晩(日本時間未明)から行われるファイナルを待つばかりです。本来ならリアルタイムで見たいところですが、あまりにも真夜中過ぎて実行できそうにはありません・・・朝目が覚めたら結果が出ている、感じでしょう(TT) 今回は、もうすでにたくさんの固定のファンがいる有名&人気日本人ピアニストがたくさん参加していて、ステージが進むごとに落胆の悲鳴が上がったようです。すでに超一流のスキルを身につけた人たちが「素晴らしいテクニックの上に何をプラスアルファできるのか」を競うという、なんだか凡人にはよくわからないレベルの闘いですから、その結果の理由がわからない、納得いかない、というファンの方々の気持ちも察するにあまりあります。 私も凡人オブ凡人の一人なので音楽的にどうのこうのと解説できることは何もないのですが、これまで2005年ショパンコンクール優勝ピアニストの追っかけをして、今回たくさんの演奏を聴き、いろいろな方々の解説に目を通して、いろいろ考えて想像(妄想)してみたので、せっかくだから書きたいことを書いてみようかと思いました。個人の記録用ですので広い心で読み流して下さい。 私はが注目したのは、大変話題性のあった反田恭平さん、角野隼斗さん、そして牛田智大さん。 反田さん、牛田さんはピアノ好きの方なら知っている国内では超メジャーなピアニスト。 一方、角野隼斗さんは、私は存じ上げていなかったのですが、東大工学部大学院卒、修論で東大総長賞受賞、現在、YouTube配信で大人気、アーティストとして芸能活動もされているマルチタレントな方です。ルックスもクールで知的なかっこよさがあり、天は一人に何物与える気だ?!とすら思います。 さて、このお三方を中心に、第2ステージの演奏から聴き始めました。 そして最初の悲鳴は第3ステージ進出者発表の時に上がりました。 牛田智大さん、上に進めず・・・ 浜松国際ピアノコンクールで第2位からのショパンコンクールだったので、彼の表現力ならノーミス演奏であれば上へ進むだろうと考えていたのですが、実際ほぼノーミスだったのですが、そう簡単ではありませんでした。どうやらネット上では、何かの意図が働いて落とされた、という「陰謀説」が跋扈していたようです。でも、ご本人が敗因をきちんと分析しSNSで発表したので(そしてそれは私の感じていたちょっとした違和感の謎を解いてくれるぐらい合理的だったので)、騒ぎはおさまったようです。 そして次の悲鳴が上がったのはファイナル進出者発表のとき。 角野さんが上に進めませんでした。 彼の人気はそれはそれはとてもとても大きく幅広く、ほぼほぼ「人気アーティスト」のジャンルに分類されるような存在なので、ファンの悲嘆はそれはそれは大きくて、SNS上の悲鳴を見ていてつらくなるほどでした。 でも、そんな彼の演奏を客観的に分析するような解説もネットに上がったりして、なるほどな、と思うことしきりでした。 以下、私がお二人の演奏だけでなく、いろいろな人たちの演奏を聴き、このコンクールの歴史などを聞きかじった上で思ったことです。 このコンクールは「ショパンを正しく解釈、表現し世界に広める若手ピアニスト」の発掘が目的なのだそうです。なので、上手じゃなくちゃダメ、でも上手なだけではダメ、独自解釈も許容範囲を超えるとダメ、でも独自の世界観を表現できないとダメ、という、なんとも矛盾した能力を要求されることになるわけです。でもおそらく要するに、自分でもショパンを演奏し、たくさんのピアノの名手の優れた演奏を聴いてきた百戦錬磨の審査員の耳が「これこそショパン!」と判断した人が選ばれる大会なのですよね。基準なんてあってないようなもの。 長きにわたるコンクールの歴史の中では、新しい解釈に意見が分かれて審査員が審査拒否したり、権威主義すぎて評価の公正性に疑問符が付いたり、いろいろあったようで、陰謀説も一理あることもあるのかもしれません。 が、今回のコンクール、私が聞いた限りでは、ファイナリストに選ばれた方々には選ばれるなりの理由があるように感じました。 素人から見たその「理由」とは、音に、より多くのヒトの心を動かす「力」があるか?ということかと。 その「力」とは、普通は「ショパン」からは連想されないであろう「力強さ」だと思います。もっとわかりやすくいうと、音の大きさ。 第1ステージから最後まで審査員がその演奏に涙を流し優勝が全会一致で決まったと言われているラファウ・ブレハッチの、コンクール優勝から1年後の生演奏を聴いたことがあります。このブログにもそのときの驚きが書いてあるのですが(November 6, 2006)、まさに「音の大きさ」に驚かされました。大きいけれど叩きつけるような潰れた音ではない非常にクリアだけど厚みがあるフォルテで、とにかく心も頭も揺さぶられっぱなしでした。そしてその力強いフォルテと繊細なピアノの音のメリハリの良さ。速いパッセージではたくさんの音の玉がコロコロと小気味よく転がるように、音量の変化は水が湧き上がって流れ出るように。ショパン自身がそれを好んだのかどうかはよくわかりませんが、この抑揚こそが人の心を捕らえて心地よく動かす力の源泉のような気がしています。 そこを考慮すると、僭越ながら、角野さんの演奏は繊細で美しい演奏であっただけに力強さが足りていただろうか?ちゃんとホール全体に響いていただろうか?と不安に感じる部分もあり、牛田さんの演奏はちょっと音がぼやけてしまったかな?という印象が残りました(ご本人も音量の調節がうまくいかなかったとおっしゃっており・・・)。会場で聴くのと配信で聴くのとではだいぶ違いがありそうで。 反田さん、小林さんの演奏は、一音一音に深みと重みがありメリハリも効いていて抑揚もしっかり付いていました。小林さんの第3ステージの最後の曲、プレリュード24番はまさに音の重厚さに圧倒されて感涙するような演奏でした。 他のファイナリストの演奏も、やはり音の深み、重み、迫力、力強さが圧倒的でした(私的には韓国のイ・ヒョクさんの演奏が好き♪)。クリアなフォルテッシモ、響き渡るピアニッシモ・・・おそらく、超一流ピアニストでも簡単に出せる音ではないのでしょう。 ここまでくると、誰が優勝してもおかしくないし、審査員の好みと声の大きさ(違)で決まるのでしょうか・・・。 コンテスタントのみなさん、コンチェルト、楽しんで下さい♪ 私もとても楽しみです。 えー、長いわりに中身がなくて、すみません・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 19, 2021 07:09:09 AM
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