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カテゴリ:Science
「スモールワールド理論」で有名な著者による「同期現象」に関する数理科学の解説本。完璧にシンクロして光る無数のホタルや心臓ペースメーカー細胞など、生物・無生物を問わず様々な分野にみられる「同期」という現象。その背後にある理論・数理・メカニズムを数式なしで解き明かしている。そこには非線形・複雑系・カオスなど数理科学の一時代を築いた様々な理論が登場する。
以前一度途中まで読んで挫折したのを引っ張り出して読んだのだが、まぁ難しい。判らないところもあるが、読む価値は間違いなくある。色々な発見もあるし、科学者が新分野を切り開く時の姿も興味深いし、登場する個々の科学者の人間性も読んでいて楽しい。 面白かったポイントを挙げればきりがないが、例えば睡眠リズムに関する「ゾンビ・ゾーン」、レーザーの仕組みの比喩的解説「スイカの惑星」、学部の授業で習って以来の「ボース・アインシュタイン凝縮」などなど、面白くもガッツリ読めば頭の痛くなるような話が満載。 強いて難を言えば、訳文が読みにくいところが多い。特に読点の打ち方がおかしいのと、いかにも英文を後ろから順に訳した感じの文が多いのが気になる。 以下、気に入った箇所の引用。 ヒトはみな、日々を端数のない整数で示される時にしたがって生きる傾向にあるのだ。 「一見別々のもののように見えるいくつかの現象が、実は一つのものであったことに気づかされるのは、爽快な心地がするものだ」(アインシュタイン) ヒトの心理作用も、間違いなく非線形系である。お気に入りの曲を二曲同時に聴いても、喜びが二倍にはならないだろう。 これで今年12冊目(563ページ/累計5219ページ) さて、次は何を読むかな。 SYNC なぜ自然はシンクロしたがるのか/スティーヴン・ストロガッツ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.08.15 09:14:52
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