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Sep 14, 2006
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 良次は
「この僕を脅すなんて、世が世なら君を殺していたかも知れない。」
 と言った。涼子は
「えっ?。」
 と聞き返した。良次は
「ほんの冗談だよ。」
 と言った。涼子には冗談には聞こえなかった。
「世が世なら・・・ありえない話じゃないかも。秘密を守る為なら少女の一人や二人。」と涼子は 思った。涼子は気を取り直して
「で、松島さんを呼ぶの呼ばないの?。」 
 とあえて強気で言った。
「呼ぶよ。涼子ちゃんにしゃべられたら、松島さんの心証をさらに悪くする。金と権力のある人間 にしか薬を売らない薬屋なんて、松島さんの最も嫌いな人種だからね。」
 と良次の声が聞こえたと思うと、真冬の森の暗闇の中で、携帯の光に照らされた良次の顔が現れた。涼子は驚いて
「わっ!。」
 と声を上げた。良次は一目、涼子を見ただけで何も言わなかった。
 松島さん相手に、それどころではないらしい。
 携帯電話が繋がると同時に、携帯電話から松島さんの低い声が聞こえた。
「良次か、今どこにいる?。」
 と涼子にも解るほど、松島さんの声は怒りに満ちていた。良次は
「あの、今、山の中に・・・。」
 と緊張しきった声で答えた。松島さんは
「山の中?。」
 と聞き返した。良次は
「いまGPSで居場所を送ります。」
 と言って、良次は携帯を操作した。松島さんはデータを確認すると
「そこにいろ!すぐ行く。」
 と言って松島さんは電話を切った。
 
 携帯の光に照らされた良次の表情は、明らかに怯えていた。涼子は
「そんなに怖がる事ないでしょう。旅館での勢いはどうしたのよ?。まるで別人よ。あの旅館の人 達に比べたら、松島さんなんてチンピラでしょう。」
 と言った。良次は
「人間のやくざを前にした時の怖さと、虎の様な獣を前にした時の怖さは別物だ。」
 と言って携帯を閉じた。
 再び、辺りは暗闇につつまれた。
「松島さんは、特にジョニーを裏切った奴を絶対許さない。」
 と言う良次のつぶやく声が、暗闇の中から聞こえてきた。
 つづく

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最終更新日  Sep 14, 2006 08:54:56 PM
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