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カテゴリ:乗り物
…というタイトルでした。山中恒作詞のしんかんせんの歌。作詞なんかするんだとあの時は驚きもしたけれど、考えてみれば「あばれはっちゃく」のテーマソングは作者自身の詞でしたね。この超特急ソングのおかげで日本人はみんな、新幹線はびゅわーんという音で250キロで走ると刷り込まれたといっても過言ではないだろう(この手の例としては他に世代限定ではあるがコンバトラーVの身長と体重、がある)。びゅわーん、は実際には警笛の音らしいが。それに歌ができた当時は250キロはまだ目標値だったのでは? 今はもっと速いが。
「インディアンがとおる」の歌詞も彼だと聞いてびっくり。どちらもどういう経緯で作詞することになったのか。インディアン、という言葉を使うことが難しくなったので、こちらはもう歌としての役割を終えた形になっているが、アニミズムが透けてみえる歌詞は子ども心にもなんとなく気にいっていたものだ。 はっちゃくは多分プロ野球中継とぶつかることが多くて我が家ではほぼ見ることができなかったのではないかと思うのだが、見ていなかったなと思う私でもはっちゃく(初代)や父がどういう口調で話しあうかくらいは知っているのだから、ほんとに大人気だったのだろう。ロビンちゃんも出てたよね、お姉ちゃん役かなにかで。原作が山中恒だと気付いたのは小学校を卒業するよりは前だったと思う。3作めくらい? 初代の主役は近年久々に顔を見ることができた。東宝系特撮「グランセイザー」の沖田くん。防衛省特殊部隊を率いる仕事熱心な好青年。真面目すぎてそのうち自責の念とかでダイオキタンかなにかに変身してロボ戦に加わっちまうのではと、家族みんなではらはらしながら応援したりして。最後のシリーズの主役はガオブラックの人だったそうで、でもその頃になるとさすがに見たこと自体なかったと思う。 あばれはっちゃくとは関係なく、小学生の私は実は山中恒ファンだった。嘘のなさが、すごく好きだった。「転校生」の原作にもなったヒット作『おれがあいつであいつがおれで』のようなエンタメ系よりも、シリアスなテーマを剛速球でぶちこんでくるような作品が熱かった。 というわけで、これを代表作に推したい『とべたら本こ』。画像はないけど楽天ブックスはまだ在庫があるそうなので、リンクを貼っておく。ハック・フィンがモデルだという浮浪児カズオのエネルギー(ハックより強いし賢いと思うが)、親と言う名前の人間がほしいわけではないという三原順の『はみだしっ子』の家出少年たちの叫びと同じ音色の訴えが、作品の背骨になっている。 もうひとつ、山中恒で忘れてはならないのは、記録者・語り部としての仕事だ。戦時中の少国民が何をして何をされたか、何を感じて何を考えていたか。戦時中の子どもの読み物、なんてレファレンスも、国会図書館に聞くより山中氏のほうがずっと詳しいし書誌も揃っているらしい。筋金入り、というのはこういう人のことだろう。 とべたら本こ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.10.09 22:08:54
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