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テーマ:読み聞かせ(296)
カテゴリ:乗り物
夏休みは海に行こう計画があるので、ゼロに海ののりもの本を借りてくる。バイロン・バートン。ブルーナは静止画としての完成度が高いが、バートンはそちらの方向へ行かなかった分、アクチュアル。
というわけで、『ふね』なんというストレートなタイトル。「のりものえほん」シリーズは全4冊で、あとは『でんしゃ』『ひこうき』『とらっく』。2歳前後の男の子への贈り物にはなかなかいけるのではなかろうか。トラックじゃなくてふつうに『くるま』だともっと汎用性がとは思うけど。
手漕ぎボートに始まって、ヨット、モーターボート、消防艇、フェリー、漁船、豪華客船、タグボート。目の前の海だけで、これだけいろいろな船が浮かんでいるんだよ、そしてそこにはいろんな人がいて働いたり楽しんだりしているんだ。いつもながらのバートンの、働く喜び生きる喜び賛歌がこのちびっこ向けの本でも押しつけがましくなくあたたかく描かれている。間接的だが大きくなるとこんなこともできるようになるんだと、子どもが素直に自分の成長を楽しみにできるつくりになっているのが素晴らしい。 先祖が海の神様だったり水軍だったり身内が海運やってたりボートやってたりと、海ののりものに親和性の高い私。でも乗せてもらうオンリー。それこそ池のボートから釣り船、ヨット、ホバークラフト、タンカーまで。そして船長室はなぜあんなにロマンティックなのか。父の友人の船長さんにお呼ばれしてお部屋でお茶をいただくのは幼心にちょっと特別な時間であった。石油を運ぶタンカーなんだけどね。それも港に停泊中の。 車が好き、飛行機が好き、汽車も電車も好き、なゼロがそれでも船には特に興味を示さず母としてはさみしかったのだけれど、ついにこの本でめざめたらしい。何冊か船の本を続けて見せてみるか。『ちびっこタグボート』はまだうちにあったっけ。
昔、学研から出ていたシリーズの復刻ですね。改訂版ということは訳文に手を入れたりしているんだろうか。渡辺さんは(後輩のお父さんなので学校でお見かけしたことがある)乗り物好きなので訳はほんとに楽しそう。私も子どもの頃ずいぶんお世話になったシリーズだ。そもタグボートという単語はこの本で覚えたのではなかろうか。『ふね』を横目で見ていたナンが客船を引っ張るタグボートを見て「こんなことできるわけがないよ」とのたもうたのにショック。これがお仕事なんだってば! タグボートは小さいけどがんばりやさんなんだよ! あんたそういうの好きでしょ! 「ふーん」…船の科学館で1日うっとりできる両親からもこんな子は生まれる。そして読めば絶対ナンシーにはまるはずのリンも、いまだにランサムを読む気配がない。1巻目を渡してやってもう2年になるのに。
ヨットといえばこれ、湖水地方と言えばこれ、子どもにとっての「完璧な夏休み」がここにある。アホイ! 残念なことに書店からまた見かけなくなったな、楽天も品切ればかり…とため息をついたところでアーサー・ランサム・ファンクラブ(できたばかりの頃、何度か会合におじゃましたことがある。不謹慎にも私はシリーズ読み始めで、追いつくために一生懸命あの重い本を電車に乗る時も抱えていた。学生時代の話だ)のHPを覗いてみたら、なんと! 今月から出るんですね、岩波少年文庫! 神宮輝夫先生が訳文を改訂中! 素晴らしい! あの大きくて重い全集は装丁の渋さともあいまって、近頃の図書館では児童書ではなく閉架書庫に置かれていることも多かったので、これは朗報! 全国の図書館は迷わず注文すべし! 7月14日にまず第1巻上下が出るそうなので、レビューします! 全24巻出ること決まってるんだって! 25000ヒット、ありがとうございます。 近頃のぞいてくださるお客様が増えているようなのですが、お顔が見えないのはさびしいので、コメントでも掲示板でもお声かけしていただけると嬉しいです。 ↓よろしかったら押してください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.07.02 10:27:06
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