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銀の裏地

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絵本の紹介と読み聞かせのヒント満載(?)育児録
幼児から高校生の4児の母、内職編集者でブックトーカー。子どもと本をつなぐ活動を市内各所で展開中。
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2010.08.14
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カテゴリ:映画・舞台
 池袋の芸術劇場で、子ども向けの演劇祭が15日まで行われている。赤木かん子さんのお誘いで出かけてきた。正確には「国際児童青少年芸術フェスティバル」。メインで見たのは「ロビンソン&クルーソー」、デンマークの劇団の2人芝居だ。タイトルの&にご注目。

ロビンソン・ク...

ロビンソン・クルーソー

価格:756円(税込)


 ダニエル・デフォー作

 海保真夫訳

 岩波少年文庫


 表紙挿絵が今日の舞台の登場人物の風体を彷彿とさせたので岩波少年文庫版を選んでみた。元ネタとなっているデフォーの『ロビンソン・クルーソー』、完訳版は岩波文庫に上下巻で入っている。
 抄訳だと『ロビンソン漂流記』というタイトルでもおなじみの冒険小説。ロビンソンもの、という言い方があるように、漂流記の元祖にして定形を作った作品。無人島に漂着した男が自分らしさを貫く形でサバイバルし、最終的に帰還を果たす。家族で漂流すれば家族ロビンソン、という言い方になるし、十五少年だってもちろんこれを先行作品とする。作者は教養小説として書いたのだが(完訳を読むと宗教と経済がメインテーマなのがよくわかる)、設定の奇抜さ面白さに大衆小説として人気を博し、更に少年には冒険小説として歓迎され古典となった。タイトルは漂流者の姓名。

 さて今回の舞台のタイトルは「ロビンソン&クルーソー」。これだけで無人島漂流ものであること、漂流者は二人であること、そして2人目の登場人物は従者となるフライデーではなく対等な相手であることがわかる。実際、登場人物はどちらもガタイのいい白人男性。コミュニケーションがまったくとれない(お互いまったく違う言語を使う)うちは疑心暗鬼になって取っ組み合い殴り合い、勝った方が負けた方をしばりあげるというのを繰り返していた。イーブンなのである。
 先に舞台に登場した方の男は英語をメインに話す。何とかしてもう一人と意志を疎通させようと、ドイツ語やスペイン語?をまじえながら。デンマーク語は私がまるで知らないので話していたかどうかもわからない。あとご当地と言うことでたまに日本語がまじる。つまり彼が「こちら側」の登場人物だということ。もう一人はこれはどこにもない言葉をしゃべる。わざとメチャクチャしているのではなく、まったく知らない理解できない言葉を話す、という設定、つまり「あちら側」。
 演劇とは言葉の力を信じる芸術だ。言葉によるコミュニケーションを信じるところから始まると言ってもいい。しかしそれが大前提となっているので、時々こういう正反対の方向から光を当てる形で、根幹を揺らがすというか演劇とは何かという命題に迫る作品があらわれる。言葉が力を持てない時、人はどうやって心を通い合わせるのか。言葉を使えない時、演劇は何をどう表現して観客にテーマを物語を伝えるのか。演劇と言うメディアへの信頼を謳いあげた芝居、といっても過言ではない。異なる言語、異なる文化、言葉以外のあらゆる「表現力」を駆使してわかりあおう伝えあおうとすること。伝える努力。
 身振り手振り、殴り合い、共同作業、歌、いろんな手段がつくされる。胸ポケットに大事にしまった写真を見せ合ってひやかしあったり、最後は一緒に酒をかっくらって良い気持ちに。掴みあい取っ組み合う以上の暴力シーンはセットの向こう側にはけて音だけ→暗転、次のシーン、という処理がなされているので、観客は凄惨な方向は考えなくていいんだなということがわかる。けして不安は煽らないやり方。このあたりが「子どものため」ということなのだろうか。
 高度な芝居だったと思う。役者さんも人間味にあふれていたし。でも「子ども向き」なのか? 子ども2人が漂着、ではユーモラスな感じどころか命の心配をしなくちゃいけないからだめなんだろうか。まあ子ども主人公にしなくてもいいんだけど、飲みニュケーションは子ども向きじゃないよねえ。すごく面白かったんだけど、どうしてここでこれを観ているんだろう私、という疑問が最後までつきまとってしまいました。この劇団の他の演目を呼んだつもりだった、とかじゃないよね。この2人による子ども向けワークショップ(含む質問会)もあったようだし。

 他には無料フロアでガムラン演奏やパントマイムなどのパフォーマンスもある。しっかり観たのはカナダのマイム「ひつじ」。劇場地下階のフロアに柵で囲った小さな牧場が設営されていて、そこに羊飼いと羊が4頭やってくる。毛刈り・脱走・餌やりをお客は目の前で楽しむ。最前列の子どもはキャベツをもらって餌やりに参加できる。怖くて泣いちゃう2,3歳児も複数。乳搾りもあって、でも飲ませてもらったイガグリ坊主に感想を聞いたら微妙な苦笑を返してくれた。ぬるかったのかな。牛乳だと思うけど。子どもたちより大人のほうが羊に触ってたかも。羊たちは足に地下足袋ソックスを履いていた。地味に海外でも人気あるんだよね、あれ。地下足袋に薄いゴム底がついてるの。親指とそれ以外に割れているのが偶蹄目な感じで羊に似合っていた。
 特設テントで観客数限定で行うベルギーの「探検演劇」が、肝心のテントを輸送していた船便の事故で到着が間に合わず上演中止だったのが残念。子どものための演劇祭なのだから、人形劇がなかったのも残念。クラウンもいなかったしね。準備日程が非常に短かったらしいので、いろいろ仕方がなかったのだと思うけれど。それにしても、昔はほんとにただの箱でしかなかった東京芸術劇場が(ここの大ホールで中国舞踊の公演に何度か出演した。地方の市民会館の最新設備版というのが当時の感想。)こういうフェスティバルの会場になって息づいているのは良い風景。ショップも昔と違いよい感じで置かれて全体に居心地がよくなっているし。

 「ロビンソン…」や「ひつじ」は今日の午後もまだ観られます。お近くの方は是非どうぞ。一見の価値ありですよ。


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最終更新日  2010.08.15 12:20:02
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