|
テーマ:本のある暮らし(3206)
カテゴリ:本
新年うさぎシリーズ。
松本典子、といっても昔のアイドルではない。70年生まれの女性写真家。蜷川実花など若手写真家を輩出する二大写真家登竜門の一つである「ひとつぼ展」の14回グランプリ受賞者。やはり同姓同名、そして同い年の角川短歌賞受賞の歌人もいるけれど、そちらは国立能楽堂に勤務するなど能楽に造詣の深い別人。ですよね、のんちゃん。あなたも歌詠みになったわけではないわよね。
「うさぎじま」こと瀬戸内海の大久野島と沖縄のカヤマ島に住むうさぎの写真集。野生だけれど、元は野うさぎではなく本土から島に連れてこられたうさぎたち。トラバ先の記事にあるように、大久野島は戦時中の毒ガス実験で知られる島で、このうさぎたちもその実験体の子孫と巷説言われているが、毒ガス工場のウサギは戦後処分されており、現在島にいる約300羽はすべて70年代初頭に小学校で飼われていた8羽のうさぎの子孫だそうだ。さすがの繁殖力です、エル・アライラー。 加屋真島(嘉弥真島とも)のほうは「ちゅらさん」の小浜島に近い無人島。夏は海水浴場というか石垣島のリゾートホテルのプライベートビーチだそうで、日帰りツアーで行けるし宿泊施設は無いがキャンプも申し込めばできる。こちらの500とも1000とも言われるうさぎは以前の住民の飼いウサギの子孫らしい。 ズームを使わず、ひたすらチャンスを待って接写でじっくり撮られたうさぎたちの表情を、是非ご覧あれ。臆病なうさぎはカメラを近づけると逃げてしまうのが常だけれど、ごく稀にカメラのレンズを警戒せずにじっとしてくれる「魔法みたいな一瞬」(松本嬢談)があるそう。 第一写真集であるこの『うさぎじま』がロングセラーを続ける松本典子嬢とはじめて出会ったのは、イラストレーターとしてであった。高校の図書館から出していたミニコミ誌の編集長だった私に司書さんがすごい1年生がいると引き合わせてくれたのが彼女だった。白と黒のコントラストの効いたモダンなイラストには時にコラージュも効果的に付け加えられ、中でも忘れられないのは彼女の描く表紙にもう1枚透ける紙をかぶせて下から絵を浮かび上がらせるようにした特別号である。「こういうのどうかなって」「いいよやっちゃおう」という感じでゴーサインを出し、前代未聞のきらびやかな表紙ができた。白黒で印刷した部分に一部水彩で色をつけてもらったものを1部、今でも手元に残している。松本さんの絵は自立性の強いものだったので、起用するときは必ず表紙、カットは私はお願いしたことがない。 卒業後、私の結婚式に来てくれたのが直接お会いした最後だったが、当時はまだ本格的には写真を始めてはいなかったと思う。それからしばらくして合同の写真展の案内をいただいたときに写真「も」やるんだと思った記憶がある。それにしても今にして思えば1枚くらい花嫁姿をのんちゃんに撮っていただいておくのであった。ああでも私は接写向き被写体ではありませんね。 ちなみにここ数年はすっかりご無沙汰だったので、写真集の発売を私は上の談話でリンクしている「ほぼ日刊イトイ新聞」の記事で知った。即購入。アマゾンを見るとリリー・フランキーや本上まなみも推薦、てラジオか雑誌かで紹介してたのかな。 ご本人によるHPをのぞいてみると、ビッグ・ニュース! 2011年3月に、福音館の「こどものとも0.1.2」で『うさぎ うさぎ こんにちは』! 現在制作中とのこと、楽しみです。図書館に入ったらさっそく借りよう。(定期購読か図書館かでないと読めないシリーズです。ハードカバー化されるのは数年後ででしかもセレクトのみ、それなりにメジャーな作家さんでもハード化されなかったり。) それから 個展「はなのにわ」も開催されます。 2011年3月25日(金曜日)~3月30日(水曜日)オーパ・ギャラリー/ショップ Open:11:00-19:00 最終日5時まで Close:Thursday 花の写真がメインだけれど、新刊『うさぎ うさぎ こんにちは』の写真も見られるんですね。楽しみ。平日の朝イチなら子ども連れでも迷惑にならないかな。 ↓よろしかったら押してください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[本] カテゴリの最新記事
|