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JRの車内広告などで最近目にする岡山への旅のキャンペーンポスター。 日本家屋の縁側に姿勢を正してすわっている中年紳士と、傍らにネコ一匹。 岡山出身の小説家、内田百けん(「けん」の字は、門(もんがまえ)の中に月)をイメージしていることが分かります。 ネコは「ノラ」か「クルツ」でしょうか。どちらも東京で飼っていたネコですが。そもそも百鬼園センセイが岡山にいたのは大学に入るまでのこと。明治中頃、造り酒屋の一人息子として生まれ、俳句や小説に親しみ、その後夏目漱石の門下生となり、ドイツ語教師などしながら小説家になった人。と書いたらそれまでですが、その言動や思考など、本当にオモシロイというか興味深い人です。このブログでもたびたび取り上げています。まだ読んだことのない方、なにか一冊手にとってみてはいかがでしょう。このポスター、そんな百鬼園先生のファンは思わずニンマリな代物ではありますが、どうも観光客誘致というところでは弱い印象を拭えません。「ここをゼヒ!」という観光ポイントが出てくるわけでもなく、センセイを知らない人が見てもなんだかボンヤリした、インパクトのないものに映るのでは? 全体的な雰囲気は良さげなんだけれど。そういえば『阿房列車シリーズ』などの旅行随筆もセンセイの代表作として挙げられるけど、その旅も『目的を持たぬのが目的』な旅だったので、ただ行って帰ってくるのもあり。そういう意味ではこのキャンペーンも面白いのかも。決して皮肉ではなく。モデルの紳士もあんまり似てないし・・・これはそう重要じゃないか。岡山デスティネーションキャンペーン。
『旅は岡山にかぎる』。4月1日~6月30日。