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ライブドア騒動で連日ニュースを賑やかしているのは、
ライブドアの錬金術の手法「株式交換」と「株式分割」だが、 前回のよくわかるライブドア騒動。その1。「株式交換」とは? の続きで、今回は「株式分割」について。 株式分割とは、 1株を複数に分割し、発行済みの株式を増やす事を言う。 例えば1株を2株に分割すると、 企業の発行済み株式数は2倍になり、 株を保有していた投資家の株数も2倍になる。 理論上は株価は半分になり、 全体の資産価値(株式時価総額=株価×株式数)は変わらない。 数字を使って説明すると、全部で1000株発行してたが、 株価が上昇していって1株1万円になったとする。 すると、投資家は「1株1万円もすると、よう買えんな~。」 となる。 そこで株式分割の登場だ。10分割するとしたら 発行済み総数は、1株あたり1000円×1万株となる。 1000円単位になれば投資家は買いやすいな。となる。 今の株主は(1株持ってるとする)、 「おい、1万円の価値が千円になったら困るがな!」 となるが、 「あとで君のとこに9株タダで送るから、 価値は同じやからご安心を!」となる。 問題は、従来は分割で新しい株券が発行されるまで 約50日間かかったこと。 それまでの間、市場で流通する株が不足して 値上がりすることがあった。 特にライブドアなど一部の新興企業は、 1株を100株など、けた違いに細かく分割し、 極端な株券不足状態を作り出し、 株価急騰を図ったと指摘される。 ただ、これ自体は違法ではない。 ちなみに今年から分割後、直ちに分割で増えた株も売買 できるように制度が変わり、この手は使いにくくなった。 そこで今回の捜査での疑惑はというと、 株価つり上げ・売り抜け疑惑だ。 ライブドアマーケティングは、マネーライフ社の買収発表後の 04年11月8日に自社株1株を100株にする株式分割を発表、 その後、分割実施日を05年1月20日に延期した。 投資家は、マネーライフ社買収するという事で これから事業拡大しそうやな。株買おうか。となり、 また株式分割で1株あたりの単価が下がり、 買いやすくなった事で買おうと思う人が増える。 しかし、株式分割で新しい株券が発行されるまで 約50日間かかったことを利用し 極端な株券不足状態を作り出す。 つまり1株持ってた人が株式分割100分割で 持ち株が100株になっても残り99株到着するのに 50日かかると、その間その99株は売れない。 →市場に出回る株数が不足→株価上昇 となる。 この間、株価は現在価格に換算して、 買収発表前の1780円から12月16日に8万500円まで急騰、 株式分割時点でも3万円近かった。 ものすごい上昇だ。 ライブドアはこのライブドアマーケティングの株式分割で 同株約340万株を無償で得た。 そして分割後、2月16日までに33万6000株を売却、 47億円の利益を得た。 株式交換も株式分割も違法ではないが、 株価が上がる材料になりそうなマネーライフ社買収 の虚偽情報発表や儲かってるように見せかける粉飾決算 が問題である。 今後も注目したい。 次回よくわかるライブドア騒動3粉飾決算と上場廃止に続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年02月14日 16時42分02秒
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