昨日の日記
僧職系男子ってどうよ
を書いていて思いついたことがあります。
ずっと以前、私がまだ坊主になる前の話です。
お遍路をしている真言僧からこんな話を聞きました。
「ボランティアと利他行はどう違うか?」
その真言僧はまだ大学を出たての若い人だったんですが
その答えを探りかねていました。
私の中にもその問題は深く刻み込まれました。
高野山専修学院である先生が「利他行」について
話してくれました。
「利他行と言うのは、他者のために祈ること」
「別に、他人に何かすることではない」
なんとなく、もやもやした感じが消えませんでした。
「他人のために何かしてあげることは利他行ではないのか?」
「祈るだけで他人のためになるのか?」
その答えが判ったのは、僧侶として現在の寺院で修法をするように
なった時です。
祈る行為には功徳がある。
その功徳を自分のものだけにしないで、周りのすべてにその功徳を
分け与えていく。
これが利他行です。
さて、
「ボランティアと利他行はどう違うか?」
「ボランティア」とは自発的に無償で他人のために何かを
することなんですがその思いは様々です。
自分のためにしている人もいるでしょうし、何かの目的があって
している人もいる。
当然、見返りを求めない場合もありますが、必ずしもそうとは
言えないでしょう。
「他者に何かを行っている形」がボランティアなんですね。
一方、利他行はいかがでしょう。
「自分が行をした功徳を他人に振り向ける」行為に
見返りなどなにもありません。
感謝されることもないです。
逆にあったらおかしいですね(*^_^*)
普段から、そういう「行」をしている人が「たまたま」
日常生活で「ボランティアに近いことをする」ことは
あるかもしれません。