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カテゴリ:音楽・テレビ・映画・小説
部落問題がテーマとなっていますが,藤村は部落問題そのものを描こうとしたのではなかったようです。 あとがきの解説に詳しく記述されています。 本人の心情を丑松に重ねて描写しているというのが専門家の見方だそうです。 確かにラストは国外に行ってしまうので,問題を回避したというか,時代状況を考えるとどうしても抗えない構造的な問題が横たわってるとも読み取れます。 ともかく,自身の内面の葛藤がありつつも,自らの信念を貫いて,社会と折り合いをつけていく過程は読みごたえがあります。 他にあとがきには出版に際して全国水平社(のちの部落解放同盟)からの圧力で表現が一部改められた経緯などが記されていました。 現在各出版社から出されている内容は原著のままの文章で,逆に改定された本の内容については入手が困難なようです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.06.19 12:27:38
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