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カテゴリ:音楽・テレビ・映画・小説
外国人であるからこそ客観的に日本の営業の特殊性を論じられていると思います。 IT業界の慣行についても持論を展開しています。 営業の本質は「売る」ことではなく「知る」ことにあります。 「今,何が起きているか」「何を提供すれば顧客が得するか」を知ることが,営業の本質です。 ITは本来,「最先端の通信技術を用いたビジネスの新しいやり方とスタイル」を意味します。 「仕事の仕組み」と「プロセスのあり方」に重点を置き,「存在」である技術はあくまでも道具にすぎません。 日本の経営者にはITを技術問題だと勘違いし,分からないことを自慢する人がいます。 これは大きな間違いです。 ITは経営理念の問題です。 その理念を理解しないで現場任せで導入しても,期待するほどの効果が出ないのは当然です。 戦後の日本製品が世界のブランドに慣れた理由の一つは,QC(品質管理)運動にあります。 いまのIT は直訳すれば「情報技術」となってしまいますが,実はITはQCと同じく,技術ではなく経営理念なのです。 「いかに今の情報通信時代に会う経営を行うか」という経営理念です。 ------------------- IT業界のハードウェア重視の営業活動の背景は,経済界(経団連)がモノづくり重視の産業構造で成長してきた自負があることも大きいように思います。 提供側も顧客もそうした戦後の高度経済成長期の成功体験に縛られているのではないか。 現在では,ハードそのものの性能よりも,データ分析・加工による自社利益率向上を目指すソフトウェア=ソリューションが重要です。 自身の研究対象である医薬品業界や医療業界にそのまま当てはまりそうです。 営業もITツールを使いこなした新たな展開が模索されています。 地域医療連携システムはいまだに互換性が十分でなく,ハードウェアメーカーによる自社独自の電子カルテをベースとした販売活動を続けています。 医師を金のなる木とみた,囲い込みの営業がまだ有効だということかもしれません。 しかし,今後はシステム互換性を前提とした顧客にとって真に操作性が高く収益構造改善や地域の医療ニーズに順応したソフトウェアづくりが求められます。 そうでなければ,これまで通り,システムの有効性を検証しつつ,莫大な医療費の一部がシステム開発・構築のための人件費に当てられ続けることになります。 そういう意味では,医療業界はIT屋や営業にとって規制によって保護されていた最後の聖域だったとみなすこともできます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.08.09 15:49:28
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