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カテゴリ:音楽・テレビ・映画・小説
各国の地政学の展開を影響力のあった人物の考え方をもとにひも解いています. イギリスはマッキンダー,ドイツはハウスホーファー,アメリカはモンロー主義,そして最後にソ連や南米などの諸国の外交戦略をみています. 結局,これらは各国の国際関係に基づく外交の基本的な戦略を読み解いていると言えます. 国際情勢は現在,大きく変わっていますが,それでも中東やアフリカが地政学的リスクを抱え続けていることを指摘した点は変わっていません. ドイツの地政学(ゲオポリティーク)について書かれた一文があります. -------------------------- ゲーテの推薦でワイマール市教会の主任牧師になったヘルダーは,「地理の美と効用について」と題した講演の中で「地理の研究は自然史および諸民族の歴史と不可分の関係にあり,政治,文化,教会,国家等の歴史もまた,地理の背景を欠けば,ほとんど空中楼閣に等しいものになってしまう」といった. 思うに,ドイツ人の地理学に対する執念は,このようなところから始まっているので,それがやがてラッツェルの政治地理学となり,ゆくゆくは外交政策の代用品としての地政学(ゲオポリティーク)ともなったわけである. -------------------------- アメリカが中米地域を大西洋と太平洋を結びつける場所として重要視していること,ドイツ民族が北欧に対するあこがれの感情を抱いており,その地理的関係から領土の拡大に腐心し続けてきたことなどが説明されています. 一方,日本は地政学を戦争の道具として利用しようとする政治力学に地理学者が加担したという反省を踏まえて,戦後では地政学あるいは政治地理学が地理学の一分野としてあまり活発ではない印象です. そして現在,日本の外交の基本方針が表からはよくわかりません. その時々の国際情勢に対して,場当たり的な政策対応をするのみで,一貫した方針がないようにも見えてしまいます. 今後安倍政権下での外交戦略に潜む本質を見極めていかなければなりません. お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.09.04 00:50:50
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