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藻緯羅@ Re:焼き菓子(12/25) 教え子からの声かけは、教師冥利。
2014.10.18
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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
政治家・官僚が絶対言わない本当の話。消費税10%でも、「焼け石に水」という現実。数字で見る社会保障の構造と財政赤字の問題点とは。世界最速の少子高齢化を乗り越えるための処方箋!

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 財政から語る社会保障/第2章 社会保障の暗黙の債務は一五〇〇兆円/第3章 社会保障と税の一体改革、社会保障制度改革国民会議/第4章 年金支給開始年齢は七〇歳以上に/第5章 高齢化社会の安定財源は消費税ではなく相続税/第6章 公費投入縮減から進める給付効率化/第7章 消費増税不要の待機児童対策/第8章 「貧困の罠」を防ぐ生活保護改革/第9章 改革のインフラ整備と仕組み作り

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
鈴木亘(スズキワタル)
1970年、兵庫県神戸市に生まれる。経済学者。専門は社会保障論、医療経済学、福祉経済学。上智大学経済学部卒業後、1994年日本銀行入行。1998年日本銀行退職。大阪大学大学院にて経済学博士号取得。大阪大学助手、大阪大学大学院助教授、東京学芸大学准教授等を経て、学習院大学経済学部教授。現在、大阪市特別顧問(西成特区構想担当)等を兼任。著書に『生活保護の経済分析』(共著、東京大学出版会、日経・経済図書文化賞)、『だまされないための年金・医療・介護入門』(東洋経済新報社、日経BP、BizTech図書賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



書きっぷりがセンセーショナルで,最初に社会保障費の増大にかかる絶望的な試算を示したうえで,それを回避するための処方箋を解説しています.

本書で興味深かったことは医療産業の特殊性の部分です.
医療はあらゆるサービスのなかで最後の聖域とされてきました.
かつては,効率化,コストカットのために手を付けるなどということはタブー視される側面もあったように思います.

その理由の一つとして考えられるのが,日本の医療産業は,参入規制が非常に厳しいことです.
医療産業の中心である病院の開設は,自治体や医療法人などに限られており,その限られた病院のベッド数も,「病床規制」として,行政に完全にコントロールされています.
つまり,医療産業は,「価格」と「参入」という産業として最も重要な要素が,両方とも規制されているのであり,「競争」による切磋琢磨で,創意工夫や技術革新が起きる余地が少ないと考えられます.
それにもかかわらず,こうした厳しい規制が維持されている主な理由は,医療の「平等性を保つ」ということにあります.
この場合,保たれているのは当然ながら,患者間の平等ではなく,医療機関の間の平等です.

しかし,「平等性を保つ」ためには,質や効率性の高い医療機関の方に基準を合わせることはできませんから,質や効率性の低い病院や開業医でも経営が成り立つように,「護送船団方式」によって,一番低いところに合わせて平等な料金が設定されます.
しかし,これではサービス水準の低い病院が開業医が,相対的に高い料金を付けることになってしまいますから,患者の不満が募ることになるでしょう.

そういう理由もあってなのでしょうか,日本では医療保険に対して多額の公費投入が行われ,患者の自己負担や保険料を非常に安くして,患者からの苦情が出にくい構造が作られています.
もちろんそれ以外にも,医療機関には,消費税課税をはじめとする税制面での優遇や,施設整備に対する各種補助金,助成金も多数存在しており,医療産業には公費による手厚い「産業保護」が行われているのです.

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中村(2013)で検討したのも,まさにこの医療の特殊性にあたる部分です.
医薬品の流通を対象にしましたが,護送船団方式として,地域薬剤師会が出現して政治力を発揮していました.
医療機関の平等性に焦点を当てるなら,一番質や効率性に劣る部分を基準にすることは理解できます.
これを仮に患者の平等性に焦点を当てたとしたら,質や効率性の高い部分にリソースを集中的に投入する一方,それらが低いものについては廃止も含めてある程度の効率性を重視する姿勢もありうるのではないかと思います.
費用対効果を常に考えない財政支援は,回り回って将来世代への医療費負担として転嫁されていきます.
このことをあらゆる世代が本気で考える時が来ていると感じます.





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最終更新日  2014.10.18 00:29:57
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