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2014.11.09
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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
戦後すぐの1947年、台湾では民間人を政府が過酷に弾圧、多数の死者を出した二・二八事件が起きた。事件をめぐる認識の対立と史実を対話的に再検討しつつ、台湾の現代史を叙述する。台湾民主化の達成によっても、克服できない歴史認識の対立。二・二八事件、白色テロをめぐる記憶の抗争の歴史を辿る。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 「再植民」と「再光復」の間/第2章 二・二八事件への道のり/第3章 事件の経過と社会亀裂の深刻化/第4章 自由中国としての台湾/第5章 一九六〇年代における台湾社会の変容/第6章 転換期を迎えた一九七〇年代の台湾/第7章 民主化の進展と歴史記憶の喚起/終章 族群和解と過去の克服

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
何義麟(カギリン)
1962年台湾生まれ。1999年東京大学大学院総合文化研究科学術博士取得。国立台北教育大学副教授、同大学台湾文化研究所所長。著書に、『二・二八事件ー「台湾人」形成のエスノポリティクス』(東京大学出版会、2003年、第20回大平正芳記念賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



二・二八事件前後を中心に,国民党がこれまで戒厳令下でタブー視させてきた事件の真相を明らかにしようとしています.
これまでの研究はそもそも数が少なく,研究者の出身地域やアイデンティティによって,事件に対する認識が異なります.
日本の植民地支配をどうとらえるのかが大きなポイントです.
本書では,植民地支配によって住民管理のシステムがある程度成立していたことが,戦後の国民党による暴動を阻止するための住民管理をスムーズにしたことが述べられています.

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1945年の日本の敗戦後に台湾省行政長官公署が総督府とその付属機構を接収した際,警察が所管していた戸籍行政は一時的に行政長官公署の警務処が担うことになった.
しかし,これは国民政府が謳っていた「民政管理の原則」に違反しており,また台湾住民の要求にも反していたため,戸籍管理はよく46年には民政処へと移管された.
その後,武力鎮圧に際しての取り締まりのため,植民地期に警察が管轄していた保甲制度が一時的に復活した.
そして,反乱者の取り締まり強化のため,1947年末までにすべての住民を対象とする「国民身分証」が発行され,その検査体制が次第に確立されていった.
例えば,1948年3月1日には「出入境旅客管理弁法」が実施され,5月30日には全島一斉に国民身分証の総検査が行われた.
これにより,台湾住民は島内外の移動の自由が制限されるようになった.
台湾では日本の植民地支配においてすでに住民登録及び管理システムが確立されていたため,直ちに身分証を作成することが可能だったのである.
つまり,戦後台湾人を監視してきた国民身分証の制度は,二・二八事件の副産物であるとともに,植民地支配体制の「遺産」でもあるといえるのである.
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本書の出版自体が,台湾の出版の自由を象徴しているような気がします.
つい最近まで国民党の意向なしには批判的な論調は発禁処分を受けていました.
党外人士(野党)がどんどん勢力を増す中で歴史認識も改められていきました.
この自由化の背景には,米国の圧力も相当あったようです.

やはり歴史を欠いた地理を見てもその地域のすがたは見えてこないことがよくわかります.





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最終更新日  2014.11.09 11:18:07
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