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カテゴリ:音楽・テレビ・映画・小説
にわかに新書では地方消滅か地方再生かまったく異なるベクトルの本がいくつも出されています。 きっかけは増田レポートです。 地方に対して具体的な将来予測データを利用して,危機感を煽ったことは確かです。 これに対して,そうは単純な結論にはならないとしてさまざまな実践例が紹介される新書が多いです。 その一つが「里山資本主義」です。 高知の事例も触れられていました。 真庭モデルで知られる林業によるエネルギー自立を大豊町で実践するというものです。 真庭市では,銘建工業や真庭市,地元の林業・製材業の組合など9団体が共同出資した新会社「真庭バイオマス発電株式会社」が設立されました。 2013年に大規模な製材所を建設するとともに,木くずを利用した発電所も建設するといいます。 里山資本主義は,身近に眠る資源を生かし,お金もなるべく地域の中で回して,地域を豊かにしようとすることです。 域外との金のやり取りをまったくせずにというのは現実的ではないような気がします。 また先行モデルの先行者利益を後追いする後発組は競合に負けてしまうのではという懸念があります。 それぞれの地域が自立した圏域を形成するという発想とその政策は,すでに試みられうまくいかなかった経緯があります。 その反省を踏まえて,どうすれば東京一極集中の流れを止めることができるのかをその構造的要因から解き明かして,国策として実践していかなければ根本的な解決にはならないかもしれません。 草の根的な活動が利益を上げている場合,どの地域のどの顧客層をターゲットとしているのか冷静な分析をする必要があります。 高知県は課題先進県とされるだけあって,取組みもいち早く行われている印象がありますが,単なる先行者利益に預かっているのか,それでも市場開拓できずに失敗するのか,その成否は各方面から注目されているのではないでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.08.16 00:19:54
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